ABCの「C自分の取る言動」を、人間関係を破壊したり、自己嫌悪感を抱くものではなく、自分が納得できる、満足できる言動にするためには、Bを構成している思考のトラップから脱する、あるいは壊していく必要があります。
典型的な思考のトラップを「レジリエンスを使って自分を変えていく方法⑤ 自分が陥りやすい「思考のトラップ」を見つけましょう。」で9つ挙げました。
この9つの「思考のトラップ」リストは紙に書く、あるいはスマホのメモに入れておいて、嫌な出来事が起こって(A)、ある言動を取り(C)、どういう自分の考え(B)がCに繋がったのかをチェックする際に見るとよいと思います。
そのリストを見ながら、「自分が思考のトラップに陥っていないか?」を自分に質問してみるのです。「これって、「ミー・トラップ」ではないか?」「この考えって、マインド・リーディングっぽい」などと、自分の考え(B)が、思考のトラップに影響された考えではないか?と、チェックしてみましょう。
それぞれの思考のトラップを破るために、それぞれの思考のトラップに合わせて自分への質問していきます。
Mind-reading マインド・リーディング
- 相手も私と同じように考えているはずと思わずに、私は情報を相手に十分、正確に伝えているか?
- 相手が私の気持ちをわかってくれていると思い込まずに、私の気持ちや感情を相手に伝えているか?
Me trap ミー・トラップ
- 本当に100%私だけの責任か?私だけが悪いのか?
- 部分的には、他の人や事にも原因があるのでは?
Them trap ゼム・トラップ
- 本当に100%その人だけの責任か?その人だけが悪いのか?
- 一部にしても、私に原因があることはないのか?
Catastrophizing カタストロファイジング 深刻化する
- 今、現在、はっきりわかっている事実は何か?
- 実際に起こっている事と、想像している事は、区別がついているか?
Helplessness ヘルプレス 無力感
- 本当に私にできることは何もないのか?
- 本当にこの事で世界が終わってしまうのか?
Jumping to conclusion 結論にジャンプ
- 結論を出すために十分な証拠があるのか?
Tunnel vision トンネル・ビジョン
- 物事の全体像をわかっているか?
- この出来事が、全体にとってどれくらい重要か?
Magnifying or minimizing 極大化と極小化
- 悪い事を極大化している場合、良い事はないのか?
- よい事を極小化している場合、本当に他によい面はないのか?
Emotional Reasoning 感情支配
- それは私の感情か?それとも事実か?
- 正確な情報に基づいて、状況を理解しているか?
Overgeneralizing 過度な一般化
- 十分な根拠、証拠があるのか?
自分が思考のトラップに陥っていると気づいたら、そこから抜け出すために、上記の質問を自分にしてみましょう。
自分が陥りやすい思考のトラップを理解すれば、Cの言動に移る前に、自分の考えBが生まれた時点で思考のトラップを捉え、そこに陥らないように、Bを軌道修正することが、最終的な目標です。
まずは、ABCの練習を続け、自分の陥りやすい思考のトラップを把握し、その思考のトラップを壊すために、自分自身に質問をしていきましょう。
思考のトラップリストを常に持ち歩き、自分が思考のトラップに陥っていないかチェックしましょう。思考のトラップにはまっていると気づいたら、自分自身に質問をしてみましょう。自分が陥りやすい思考のトラップを、ノートに書いておきましょう。