オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
レジリエンス

レジリエンスを使って自分を変えていく方法⑨ 「海の中の氷山」のデメリットを考えましょう。

私達が陥っている思考のトラップを作ってきた無意識に埋め込まれた思考「海の中の氷山」。すごく昔に作られた氷山も多いですし、長い年月をかけてカチカチに凍ってしまった氷山もあるので、すぐにこの氷山を壊したり、溶かしたりすることは、なかなか難しいです。
でも、「海の中の氷山」があると気づくことで、無意識の海の中に埋もれていた部分を意識できるようになります。つまり、無意識を意識できるところに持ってくる、氷山を海の中から海の上に出すことができるようになります。
こういうものが私の考えを支配していて、私の感情や行動を決めているのだなあと気づくことが重要なのです。

「海の中の氷山」が無意識の中に隠れているままだと、私達は出来事に対して反応する自分の感情や行動がなぜそうなるのか理解できない場合が多々あります。

「海の中の氷山」を認識しないまま放っておくと、様々なデメリットがあります。

  • 出来事に対して過度な感情が沸く(悲しみや怒りなど)。
    例:配偶者の受け答えが気に食わないと、怒りの感情がこみ上げて、相手に当たり散らす。
  • 状況にマッチしていない感情や行動を取る。
    例:子供が学校でつらい目に遭い傷ついているのに、友達となぜうまくわれないのだと子供を責めてしまう。
  • 矛盾を抱えて、決断できない。
    例:急激な体重増加を健康診断で指摘され体重を減らさないといけないのに、悩むばかりでそのための行動を取れない。
  • 特定の感情パターンを繰り返す。
    例:職場で上司や同僚に自分の仕事ぶりを批判されると、すぐむきになって反論して、相手の意見を聞く気になれない。

これまで激しい感情に振り回されたり、周囲との衝突を起こしたり、自己嫌悪に陥るような行動を取ってしまったりすると、相手が悪い、環境が悪い、自分が悪いと思ってきたと思います。
しかし、もしかすると、激しい感情や攻撃的な言動の原因は、自分の心の「海の中の氷山」にあるかもしれないのです。

「海の中の氷山」は悪い考えやルールだけではありません。「弱い者、小さい者は守ってあげなくてはいけない」という人生ルールをあなたが学んで、それが「海の中の氷山」として無意識の中にありあなたの言動を決めているなら悪い事ではありません。

問題になる「海の中の氷山」は、自分でもなぜこんな態度を取ってしまったのかわからない、本当はするべきではないとわかっているのに特定の行動を取ってしまう、激しい感情に振り回されてしまう、後で自己嫌悪に陥るような行動を取ってしまう。そのような場合に、無意識の「海の中の氷山」があなたを支配している可能性があるのです。

でも、この「海の中の氷山」も、じっくり、繰り返して向き合うことで、溶かしていくことが可能です。
次回は「海の中の氷山」の溶かし方について紹介していきましょう。

自分の「海の中の氷山」に気づいたら、その氷山によって上にあげたようなデメリットが引き起こされていないか考えてみましょう。

※Karen Reinvich博士の著作『The Resilience Factor: 7 Keys to Finding Your Inner Strength and Overcoming Life’s Hurdles』を参考にしています。

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