オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

ネガティブ感情の対処法 予期不安の96%は現実化しないのです。

先の事を考えあれこれ心配してしまう。もしこうなったらどうしようと不安になってしまう。
このように先のことが心配になる心理を「予期不安」と心理学では呼びます。
この予期不安。
程度の差こそあれ、誰でも持っているものだろうと思います。

  • コロナウィルスの感染の再拡大。自分がかかったらどうしよう。
  • ロシアによるウクライナへの軍事侵攻。ロシアが核爆弾を爆発させたらどうしよう。
  • 最近地震が多い。直下型の大地震が起きたらどうしよう。
  • 人間ドッグで腸に異物が見つかり再検査になった。がんだったらどうしよう。

こういう心配や不安は割と誰もが経験するのではないでしょうか。
(ちなみに上に挙げた事はすべて私が経験した不安です・・・)

まず理解しておきたい事は、人間という生物は優れたアラート機能を持っており、リスクに対して敏感な脳構造になっているという事です。だからこそ、リスクを警戒して人間は生き延びて、現在地球上で繁栄しているわけです。
加えて最近は受容する情報量が膨大なので、テレビやSNSから入手した情報に基づき、脳がばんばんリスク警戒警報を出しますから、古代の人間に比べ、現代の我々が心配性、不安症になるのも不思議でないのです。
もともと人間は心配しがち、不安になりがち、アラート機能が鳴りやすい生物である事を知っておきましょう。あれこれ心配になるのは、あなただけではないのです。

しかし、そうはいっても、ずっと不安で心配ばかりしていたら人生を楽しめませんし、精神的にきつくなってきます。

そこで科学的に考えましょう。
アメリカのミシガン大学の調査で、人々の予期不安、つまり不安に思っている事が実際に起こる確率は20%だった事がわかっています。つまり心配事の80%は現実化しないという調査結果が出ています。

残りの20%のうち、16%は準備や備えをすることで対処可能、つまり回避できる、悪影響を小さくできる事でした。
残りの4%が、心配事がそのまま本当に起こった確率でした。天災、不慮の事故などがこの4%に含まれます。

ということは、96%の心配事はリアルにならないということです。
4%部分の心配事に心を支配されて、96%分の心配事が現実化しない人生を放棄するのはもったいないと思いませんか?

それでも、やっぱり心配だ、残りの4%が気になるという場合は、リスク対応プランを建てておきましょう。

「もし大地震が起きたらどうしよう」と不安であれば、地震が起きるのか起きないのか、いつどこで起こるのかはわかりませんが、起きた時に生き残るための備えを万全にしておきましょう。防災グッズを備える、携帯防災グッズを持ち歩く、家族とまさかの場合の行動を前もって決めておく等、自分ができる事がないか探して、備えておきましょう。

そして、16%の部分については、実際に心配事が現実化しても対処方法があるケースですから、事前に備えられる事があれば備えを万全にし、心配事が現実化した場合は対処法を冷静に探しましょう。正確な情報収集も大切です。

例えば「コロナウィルスに感染したらどうしよう」という不安があるとします。
このような不安に対して、次のように考え、行動します。

  • 80%は現実化しないだろう。
  • けれども、感染力が強いウィルスならば感染してしまうリスクはゼロではないかもしれない。感染しないためにできる事をしよう。ワクチン接種、マスクをつける、手を洗う、換気をこまめにする、免疫力をつける食事をする、人が密な場所は避ける等、コロナウィルス感染を防ぐために、自分ができる行動を取ろう。
  • 感染を防ぐための正しい情報を入手しよう。(公的機関のホームページやかかりつけ医がいるならお医者さんに聞くのが確実な情報だと思います。)
  • 感染対策をしていても4%の確率で感染してしまうかもしれない。感染した場合に備えて、できる事をしておこう。
  • 解熱剤を用意しておく、1週間分の水、食べ物を用意しておく、検査キットを用意しておく、近場の発熱外来はどこかチェックし、電話番号を控えておく、住んでいる地域の保健所の連絡先を控えておく、地域のコロナウィルス相談センターの連絡先を控えておく等、自分が今できる事を探して実行しよう。

 

心配事の96%は現実化しない。
現実化させないために、自分にできるアクションがあるなら取る。
残りの4%の確率で心配事が現実化することはあるかもしれない。現実化した場合に備えて今からできる事があれば行動を起こしておく。できる事がなければ、どうしようもないので、考えても仕方がないと思う。

この考え方で、4%の確率の不安に塗りつぶされた世界ではなく、96%の不安が現実化しない世界を生きていくことをお勧めします。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA