人間は頭の中で1日に4万~6万回ものセルフトークをしているそうです。口に出さないまでも、頭で独り言をたくさんつぶやいているのですね。そしてたいていのセルフトークが自分を否定するネガティブなものなのです。
- 私って失敗ばかりだなあ。
- やっぱりうまくいかない。
- ダイエットもできないダメ人間だ。
- 私ってついていないなあ。
- 今日も仕事うまくいかないのでは。
- 私は魅力がない。
様々な自分を貶めるネガティブ・セルフトークを頭の中で繰り返しているのです。
もし自分の家族や友人に1日4万回も6万回も「あなたはだめだ」「あなたは失敗する」と言い続けたら、相手は落ち込み、やる気を失い、本当に失敗して無気力な人間になってしまうと思いませんか?
ネガティブ・セルフトークは同じ事を自分が自分にしているわけです。
ネガティブ・セルフトークをストップする方法の一つが「もう一人の自分の存在を作る」事です。難しい事ではありません。ネガティブ・セルフトークしていると気づいたら、自分の名前を呼んで自分に語りかけます。
「マリコ、あなたはまた考え過ぎているわよ」
「マリコ、また悪い想像ばかりしていない?」
「マリコ、ちょっと落ち着きなさいよ。まずは座りましょう」
頭の中で、自分の名前を呼んで、語りかけます。
自分の名前をあえて呼ぶことが重要です。ネガティブ・セルフトークをしている自分と離れた自分を認識させるのです。
頭の中で思考してもよいですし、周りに人がいなくて独り言をぶつぶつ言っても怪しまれない環境でしたら声に出して自分に話しかけてもよいでしょう。
頭の中で語りかけるにしろ、声に出すにしろ、言語化することが大切なのです。1日に4万~6万回も浮かんでくるセルフトークですから一瞬で過ぎ去ります。セルフトークをストップして少し立ち止まるためには、形のない思考を言葉に直すことが効果的なのです。
2014年に17歳でノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんを知っていますか? 彼女は女性の教育面などの差別について訴え続け、学校に通っていたのですが、女性への教育を反対する立場のタリバンの襲撃により頭を銃で撃たれ、生死の境をさまよいました。奇跡的に助かったマララさんは、この恐ろしい出来事にも負けず、一層、女性の教育の権利を訴え続けたのです。その勇気ある行動にノーベル平和賞が贈られたのでした。
このマララさんの話をポッドキャストで聞いたことがあるのですが、マララさんのような尊敬すべき素晴らしい人でも自分に対してネガティブ・セルフトークをしているそうです。そしてネガティブ・セルフトークに気づいたら、「マララ。ちょっと待って。あなたは現実をきちんと把握している?」などと、自分の名前を呼んで、自分に語りかけるそうです。
マララさんのような意志の強い、実行力のある女性でさえ、自分を否定するネガティブ・セルフトークをしている・・・と知ると、少しほっとする気がしますね。私はこの話を聞いて、「あの尊敬すべきマララさんだってネガティブ・セルフトークしているのだ。自分がネガティブ・セルフトークしても当たり前だ」と思えましたし、マララさんもネガティブ・セルフトークをストップするために使っている、自分の名前を呼んで自分に語りかける方法を実践するようになりました。
シンプルで、すぐできる方法ですので、自分がネガティブ・セルフトークしていると気づいたら、是非試してみて下さい。
そして、ネガティブ・セルフトークに対抗するためにポジティブなセルフトークをする癖をつけるためにはアファメーションが効果的です。「年末年始スペシャルワーク⑬ アファメーションで自分にポジティブなトークをする習慣をつけましょう。」でアファメーションについて説明していますので、参考にしてみて下さい。