「エモーション・マネジメント➂ ムード・メーターを利用してみましょう。」で紹介したムード・メーターを使って、自分が感じている感情のグループと、感情を的確に表す言葉を探すことは、感情をデータとして扱い、客観的に自分の感情を見つめる事に役立ちます。
ただ、レッドやブルーのカラーに属する感情は「心地よくない」種類の感情ですが、だからだめだ、悪いということではない点にご注意下さい。レッドやブルーのグループに属する感情も、人間として感じることが当たり前の感情です。
そして、それぞれのカラーの感情の時に向いている行動があることも知っておきましょう。
- レッドの感情 ⇒討論、議論に向いています。
- イエローの感情 ⇒問題解決に向いています。
- ブルーの感情 ⇒クリティカルシンキング(批判的な思考)、詳細な分析に向いています。
- グリーンの感情 ⇒協働、協力に向いています。
このように、それぞれのカラーの感情に適して行動があることを知っておきましょう。どの感情も、活用価値があるのです。
また、感情を抱くのは自分だけではなく、他の人達も当然感情を持っています。他の人がどのような感情を感じているのか推察し、ムード・メーターのカラーのグループを特定する事は、コミュニケーションに役立ちます。同じ出来事に遭遇しても、経験、文化、環境等によって、生まれる感情は異なることも度々あります。
親しい仲であれば、ムード・メーターのどこの感情を感じているか尋ねてみるのもよいでしょう。
他の人がどのように感じているかを想像する事は、共感力(エンパシー)を高め、人とのコミュニケーション力を向上させます。
一方、自分の感情がいつもレッドのグループばかり、あるいはブルーのグループばかりの場合は、ネガティブな感情に押しつぶされそうになっていたり、大きすぎるストレスを感じて苦しくなっているケースがあります。そのような状況では、感情をそのまま放置するのではなく、他のカラーのグループ(イエローやグリーン)の感情も感じるようにアクションを起こしたほうがよいでしょう。
次回はどのようなアクションを起こすと、イエローやグリーンのグループの感情が増えていくか、紹介していきましょう。
※イエール大学の「Managing Emotions」の講義を参考にしています。