感情を自分の役に立つように、自分を傷つけないように、管理するエモーション・マネジメント(感情管理)の方法には行動戦略と思考戦略の2種類があります。前回は行動戦略を紹介しました。今回は思考戦略を幾つか紹介しましょう。
まずはポジティブなセルフトークです。
人間は頭の中で一日に4万~6万のつぶやきをしています。これが「自分はだめだ」「自分は失敗者だ」「自分は能力がない」「自分は変われない」などのネガティブなつぶやきであったなら、私達の思考スタイルは相当悪影響を受けているはずです。レッドやブルーのカラーグループの感情を感じやすく、しかも強く感じやすくなっているはずです。
セルフトークは自分のBGMのようなものです。このBGMを自分を励ますようなポジティブなセルフトークに変えていきましょう。
ネガティブなセルフトークは、子供時代に親等目上の存在から受けた評価や価値観に影響されている事が多いです。「勉強しなければいい子ではない」「〇〇大学に入れないなら落伍者だ」「落ち着きがない子だ」「愛想がない子だ」など、親や学校の先生などの発言は本人達に悪気はなかったかもしれませんが、子供達にネガティブなセルフトークを生み出す根っこを作ることが多いのです。
しかし、私達はもう親や先生の庇護がなければ生きていけないか弱い子供ではありません。自分の考えは自分で決めていける存在です。ネガティブなセルフトークに気づいたら、次のようなフレーズを自分に伝えて、ポジティブなセルフトークに変換していきましょう。
- 一度にすべてできなくてもいい。一度に一つずつステップを踏んでいけばいい。
- 悲しかったり、寂しさを感じてもオーケー。問題ない。
- 今はその出来事や感情の意味はわからない。でも、そのうちわかる時が来る。
- 失敗してしまったけれど、次は後悔しない決断をすればいい。
- 完璧でない私だけれど、今この時点ではこれが私のベストなのだ。それでいいのだ。
- 失敗をしてしまった。でもその失敗を挽回するために出来ることはある。
- 私は丁寧に扱われていい。私という存在は敬意を持って扱われていい。
これらのポジティブなセルフトークのリストは紙に書き出しておくか、スマートフォンのメモ欄に打ち込んでおいて、ネガティブなセルフトークが浮かんできたら、すぐそのリストを見るようにしましょう。
他にも効果があったポジティブなセルフトークがあれば、リストに加えて、自分オリジナルなポジティブ・セルフトーク集を作っていきましょう。
※イエール大学の「Managing Emotions」の講義を参考にしています。