オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
エモーション・マネジメント

エモーション・マネジメント⑧ ポジティブ・リフレーミング

怒り、失望、無力感、嫉妬など、レッドやブルーのカラーゾーンの感情が沸いていた時に、その感情を無視したり、否定する必要はありません。しかし、その感情を生み出したシチュエーションをちょっと外側から見てみて、「こういう風に言い換えられないか?」「こういう意味もあるのではないか?」「こういう見方もあるのではないか?」と、シチュエーションの捉え直しをする事は、シチュエーションの正確な把握と不必要な感情の消去に役立ちます。シチュエーションと捉え直しは「リフレーミング」と言います。よい方向に捉え直そうとするので、「ポジティブ・リフレーミング」と呼びます。

ポジティブ・リフレーミングのポイントは3つあります。

他の選択肢があると確信して探すこと。

「これしかない」という思い込みを一時横に置いて、必ず第二、第三の考えがあると確信して探します。

<例>高校生の時からずっと付き合ってきた彼と結婚すると思っていたのにふられてしまった。もう私は24歳だし、この先彼氏はできないだろうし、結婚もできないと思い、絶望している。
⇒2020年の日本の女性の平均初婚年齢は29.4歳(厚生省)。初恋の人と結婚する確率は100分の1(ライフネット生命)。私はまだ24歳だし、平均初婚年齢まで5年以上ある。5年もあるなら、他の男性と出合うこともあるのでは。彼は大切な初恋の相手だったけれど、初恋の人と結婚する確率が100分の1しかないならば、私は99%の普通のパターンなのだ。もう結婚できないなんて思いこまなくていいのかも。

視界を広げる。

一つの所にとどまっていると、選択肢は見つけにくくなります。本を読んだり、人の話を聞いたりして、自分の考え以外の考え方がないか探してみます。あるいは物理的に広い空間や外に出かけて、自分を広い場所に置きます。

<例>会社の業績があまりよくない。今年はボーナスも減るらしい。このままこの会社の事務職を続けていても、いつかリストラされるかもしれない。将来の方向性が見えなくて、なんだか無力感を感じる。仕事にもやる気が出ない。毎日鬱々としている。
⇒就活会社が転職セミナーを開催していると聞いた。オンラインでも参加できるし、聞くだけ聞いてみよう。転職するかどうかはまだわからないけど、少しは将来に対する不安が減るかもしれない。そう思ってオンラインの転職セミナーに参加してみたら、今の仕事を続けながら自分にもっと合った仕事がないか探せる方法があると知った。転職するかはまだ決めてないけれど、他の仕事の情報を集めながら、当面は平行して考えてみよう。

自分の役に立つ事は何かを探す。

そのシチュエーションからも自分が学べる事、自分の役に立つ事があったはずと確信し、それを探します。

<例>上司がみんなの前で私のミスを厳しく叱った。悔しくて、恥ずかしくて、怒りがこみ上げてきた。何も小さなミスで、あんなに大声で叱らなくていいではないか。
⇒小さなミスのうちに叱られてよかったのかもしれない。もっと大きなミスをしていたら、叱責どころか異動やクビになっていたかも。あの上司にみんなの前で叱られるようなミスは二度としないと自分に誓おう。

ポジティブ・リフレーミングに慣れるためには、クリエイティブになることが大切です。色多様な選択肢を探すためにも普段からクリエイティブに色々な考えや経験と接しておくことをお勧めします。自分一人だけでの行動や思考ではどうしても限界があります。

しかし、だからといって、世界中を巡って、たくさんの人に合わないといけないというわけでもありません。映画やドラマを見る、本を読むことを通じて、登場人物達の行動を観察することにより、多様な人物の価値観や思考に触れることができます。

※イエール大学の「Managing Emotions」の講義を参考にしています。

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