「サスティナブル」は持続可能性という意味で、「長く続けていく事が可能」あるいは「発展、繁栄し続けていくことが可能」という意味でも使われます。最近は環境保護運動と合わせてサスティナブルという言葉が多用されるようになってきました。
私達の仕事にも「サスティナブル・キャリア」という概念が持ち込まれ始めています。まだ概念や定義が固まっていませんが、テクノロジーの急速な発展や、ビジネスモデルの変化、社会的ニーズの変化、ワークライフバランスの概念の浸透等により、ただがむしゃらに働くのではなく、長い間働き続けることが可能なキャリアが注目されています。
「サスティナブル・キャリア」の特徴は5つ挙げられます。
- 自分の価値観に合っている。
- 生活していくための経済的安定を得るのに十分なお金を稼げる。
- 社会や産業の変化に対応できる臨機応変さがある。
- 家族や友人、コミュニティと過ごす時間がある。
- 予測不能な変化にも対応できる。
「お金のために働いている」という考えが悪いわけではありませんが、やはり自分の価値観や情熱と合っている仕事の方が長続きしますし、頑張りもききます。
反対に、いくら好きな仕事でも、お金が得られず生活していけないならば、長い間続けていくことはできません。
また最近の目まぐるしい時代や社会の変化の中で、「これしかだめだ」という凝り固まった考えですと、その職種がなくなったりして対応できなくなるかもしれません。
人生100年時代においては、定年60歳で退職して一切仕事をしないというケースは減っていく可能性が高く、70歳でも80歳でも続けることができるキャリアの模索も重要な社会問題になってきています。
Harvard Business Review(オンライン版)の2013年7月15日の記事「Craft a Sustainable Career」(Monique Valcour)によれば、サスティナブル・キャリアを築きたいなら次の事を実行しようと提言しています。
- 自分自身で自分のキャリアを決めよう。親でも上司でもなく、自分がどういうキャリアを目指したいのか決める必要がある。それには自分の野望、興味、価値観をよく知る必要がある。自分の核となる価値観を見出すことにより、それに基づいて仕事を作っていく、見つけていく事が大切。
- 仕事における自分の付加価値は何かを書き出す。毎週末自分が今週仕事で成し遂げた事は何か、何を学んだかをノートに書き出し、記録をつけていく。加えて、仕事に関してフィードバック(批判や賞賛を含めて)を受けたら、それも記録しておく。これらの記録が、自分の能力の認識を深め、どのようなキャリアを目指していきたいのか考える材料になる。
- 自分が仕事で達成した事(あるいは達成しようとしている事)と、自分がキャリアのゴールとして目指している事を結びつける。自分のキャリアゴールについて上司や先輩と定期的に話す。(たとえその話し合いがパフォーマンスレビューのような正式な場でなくてもよい)職場で自分に機会を与えてくれるかもしれない人間に、自分のキャリアゴールを知ってもらい、ポジティブな関係を保っておくことは重要。
- 自分の今の仕事が属する産業の変革や、企業の戦略にはよく注意を払う。自分が所属する企業が他社に比べて何が優れているのか、市場での評価はどうなっているのか、自発的に調べる。成長している部門や、産業分野は何なのかを常にウォッチしておく。そして自分のキャリアが成長分野に結び付く方法を探す。
- よいエネルギーや勇気をくれる同僚や上司と働く機会を積極的に求めていく。多くのビジネスの成功者達が、周囲の理解と支援によってキャリアアップする機会を獲得している。
21世紀の社会や産業の変化は20世紀に比べ格段とスピードアップしています。充実感を持って長い間仕事を続けたいならば、サスティナブル・キャリアを目指しましょう。そのために一番最初にする事は「自分を知る事」です。自分の能力、価値観、考え方の傾向、興味をよく知る事です。自分のことであっても、灯台下暗しで、よくわかっていない場合が多いのです。
このブログでも自分の価値観を知る方法を幾つか紹介していますので、参考にしてみて下さい。