オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
仕事に前向きになる方法

イメージトレーニングとチャンキングで、緊張する仕事もクリアーできます。

2008年の北京オリンピックで8つの金メダルを獲得したアメリカのマイケル・フェルプス選手。「水の怪物」と呼ばれ、今のところ人類史上最高のスイマーと言えるでしょう。
このフェルペス選手が北京オリンピックで200メートルバタフライ決勝の時、ゴーグルに水が入り込んで何も見えなくなるというアクシデントに見舞われました。しかし彼は慌てることなく泳ぎ切り、金メダルを獲得、しかも世界新記録を打ち立てました。
この時の事を聞かれたフェルペス選手は「すべてはイメージどおりだった」と答えていました。彼は綿密なイメージトレーニングを行うことで、アクシデントにも慌てることなく自分の全力を出し、見事に泳ぎ切ったのです。

イメージトレーニング。英語ではmental representationメンタル・リプレゼンテーションと言います。心の中で(正確には脳の中ですが)、イメージを完璧に作り上げ、繰り返すことにより、実際の場面でもイメージ通りに行動するようにします。

フェルペス選手を指導してきたボブ・ボウマン・コーチは、フェルプス選手にイメージ・トレーニングの大切さを訴え、自分の完璧な試合をイメージしてビデオを見るように何回も再現するように教えました。フェルプス選手は毎晩寝る前と毎朝起きた後に最高のレースをイメージするというイメージ・トレーニングを行いました。

それは、とても詳細で、小さなステップに砕いて、イメージするものだったそうです。水の感触はどうか、隣は誰が泳いでいるか、どのように水を掻くか、どのようにターンするか等、小さな段階ごとに正確にイメージできるよう練習したそうです。
このイメージトレーニングのおかげで、フェルペス選手はたとえアクシデントに見舞われても、平常心でレースを泳ぎ切ることができたのです。

このイメージ・トレーニングは私達の仕事にも応用できます。
特に緊張するような仕事の場面では、前もって、繰り返しイメージ・トレーニングをする事が有効です。

緊張する会議での発表の場。
上司とのパフォーマンス・レビューのミーティング。
大勢を前にしたプレゼンテーション。
顧客に謝罪しなくてはいけない場面。

ストレスを感じるような場面でも、自分がうまくやり通すシーンを想像して、何回も頭の中でイメージします。フェルペス選手のように、ビデオを見るように、何回も、自分がうまく仕事をやり遂げるシーンを再現しましょう。

この時、なるべく小さいタスクに分解して、そのタスクごとに正確にイメージしていく事が重要です。これはchunkingチャンキングと言われる作業で、一つの大きな仕事を、細かく段階ごとに分けていく事です。

会議室の前で深呼吸する自分、会議室に入り、資料を出席者に配る自分、会議室の前方で出席者に挨拶する自分、資料が全員に行き渡っているか確認する自分、一人一人にアイコンタクトする自分・・・。「会議での発表」という仕事を、なるべく細かいシーンに分けて、詳細に、正確に、イメージしていきましょう。

フェルペス選手は、イメージトレーニングに長けていただけでなく、このチャンキングがとてもうまくできていました。

緊張するような仕事については、細かい段階に分けるチャンキング、そしてその細かいコマごとになるべく正確に詳細にイメージして、自分の行動を一つのビデオのように想像するイメージトレーニングを練習してみましょう。

平常心を養うことができ、たとえアクシデントに遭遇しても、冷静に反応することができる確率が高くなっていきます。

以前紹介した「ネガティブ・ビジュアリゼーション」も、イメージトレーニングの一種です。

苦手な状況にはネガティブ・ビジュアリゼーションで対応しましょう。仕事に前向きになる方法...

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