オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

ナードアウトで幸せになりましょう!

ウェルビーイングについて発信しているイエール大学のローリー・サントス博士のポッドキャスト番組「The Happiness Lab」。

毎回リアルライフに役立つエピソードを提供してくれています。その中のエピソードの一つ「Nerd Out! The Happiness of Being a Fan」がとても面白かったので紹介したいと思います。

Nerd out(ナードアウト)とは日本語でいえば「オタクになる」「沼にはまる」「推しに夢中になる」ということになるでしょう。Geeking(ギ―キング)ともいい、特定の対象が好きでたまらくなり、夢中になる心理、行動のことです。

番組ではイギリスのテレビドラマ「シャーロック」に突然はまった科学ライターのTabitha Carvanさんが自分の「ナードアウト」体験を赤裸々に告白。オタクやファン活動に全く関係がなかった自分が、結婚して子供を持って中年になった自分が、「シャーロック」を見て突然、主演俳優のベネディクト・カンバーバッチにロックオン!彼に夢中になり、「シャーロック」も繰り返し見て、開けても暮れてもカンバーバッチのことばかり考え、ファンクラブに入ってしまうという、まさに「沼にはまる」経験をします。彼女のマンネリな日常は突然輝き始め、カンバーバッチの情報を集めることに夢中になり、とにかくカンバーバッチのことを考えているだけで幸せな気持ちになります。

一方で、彼女はそんな自分を恥ずかしいと思いました。夫もいる身で他の男性にこんなに夢中になっていいのか!?シャーロックという架空の人物を演じたカンバーバッチに恋しているみたいではないか?架空の人物なのに。理性的で論理的なはずの自分がどうしてしまったのか!?

しかし、彼女は気づきます。シャーロックを見てカンバーバッチに夢中になったことで、自分の生活が生き生きしだし、刺激をたくさん受けていることを。ファンクラブに入ることで、同じようなパッションを持った同志たちと知り合い、交流を深めていくことで、コミュニティが広がったことを。そして、自己肯定感が上がったことを。いろいろな面にやる気が出てきたことを。

対象は何であれ、時間を忘れるほど夢中になれる対象と出合い、その対象にエネルギーを向けることで、幸せで刺激に満ちて、わくわくする。この心理は、恥ずかしいと思う必要は全くなく、幸福感をアップさせるために、これほど有効な事はないと。

彼女はこの経験を「This is Not a Book About Benedict Cumberbatch: The Joy of Loving Something – Anything – Like Your Life Depends on it」(和訳すれば・・・この本はベネディクト・カンバーバッチについてではないのよ。何かを愛する事、あなたの人生をかけて愛する何かを持つ事の喜びについてよ)という本にまとめて出版して、話題を呼んでいます。

番組にはスタートレックに夢中になり、ついに番組に出演するまでになったファンや、「バフィ―恋する十字架」「ロズウェル」に夢中になりYA作家になった人の話も出てきます。

日本でも「オタク」というと否定的な意味合いが込められる場合があります。そしていい年をして「オタク」「沼落ちする」と、何となく恥ずかしい気もしますが。

フィクションであれ、ノンフィクションであれ、夢中になる対象を持つ事は、人生に幸福感や喜びをもたらすだけでなく、新しいコミュニティーと繋がったり、自分の意外な能力や才能に気づいたり、自己肯定感のアップにもつながるのです。

堂々と「オタク」「沼落ち」しましょう(笑)。

かくいう私も、中年といわれる年齢になってから、突然、KPOPに夢中になり、韓国のアイドルグループのファン活動をしています。「沼落ち」は楽しくて仕方ないということは、身をもって言えます。

ただ、一つ気をつけたい事は、ブラックファンにならない事です。統計上ファンクラブの会員の約1パーセントが、過激な行動に走ったり、対象に対して歪んだひとりよがりの思いを寄せたり、対象に対抗する人に対して攻撃したりなど、ブラックな行動に出るそうです。

大好きな対象や、周囲や、他の人達に迷惑をかけるのは、本当のナードアウトとはいえません。幸福感をアップさせるためのナードアウトであることを忘れないようにしましょう。

 

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