オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
仕事に前向きになる方法

自分はインポスター症候群では!?と思ったら・・・

  • 今回仕事が成功したのはたまたまだ。
  • 昇進したのは運がよかっただけだ。
  • 私は本当はこのポジションに就く実力はない。
  • いつか実力の無さが周りに露呈する日がくる。
  • 上司は私の仕事を高く評価してくれたけれど、それは上司が私を過大評価しているだけなのだ。

このような思いを持っている人は、もしかすると「インポスター症候群」かもしれません。
インポスターとは詐欺師のことで、自分の力や成功を受け入れられず、自分を詐欺師のように感じる心理のことです。

インポスター症候群の人は

  • 本当の自分は今の立場にふさわしくない。
  • 自分には実力はなくて、いつかその事が周りにばれるのが怖い。
  • 今の自分の実績は、たまたま運がよかっただけだ。これからもこの運が続くとは限らない。

と感じます。

ビジネスで成功している人、一定の地位に就いている人で、実は内心このように感じているという人は意外と多いかもしれません。
実は外資金融会社に勤めていた頃の私は、典型的なインポスター症候群でした(当時はわかりませんでしたが)。チームを率いるリーダー的立場にいましたが、自分がどうもその立場にふさわしくないと感じ、本当の自分は実力がない無能な人間である、これまではたまたま運に恵まれただけだと感じていました。自分がその仕事のポジションにいることに落ち着かず、常に不安を抱えていました。

インポスター症候群という言葉は、1978年に心理学者のポーリン・R・クランスとスザンヌ・A・アイムスによってつけられました。自分に能力があることを客観的に示す証拠があるにもかかわらず、自分の力を認められず、自分は詐欺師で周りを欺いていると感じる心理です。

フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグ氏が著書『LEAN-IN (リーン・イン)』で、インポスター症候群に悩まされていたことを告白した事でも、インポスター症候群が広く世に知られました。
インポスター症候群は性別関係なく見られる心理傾向ですが、調査の結果、比較的女性に多い心理と言われています。

インポスター症候群は病気ではなく、一つの心理傾向であるのですが、過度になると自信喪失、自己否定、フィックスドマインドセット、チャンレンジを避ける等、ネガティブな影響が出てきます。あるいは、自分が詐欺師だと感じないために、過度に働いたり、飲酒や喫煙など逃避の手段に依存したりします。
病気ではないですが、自分にとっては居心地の悪い感情です。またグロースマインドセットを身につけることを阻害します。

そこでインポスター症候群をなくす、あるいは弱める方法を紹介しましょう。

  • 私は〇〇〇だと自分が強迫観念的に思っている事をポストイットに書いて胸に貼り、その後で体を揺すってそのポストイットを離し落とす。自分のネガティブな感情を外に出し、振り落とす儀式です。
  • 第三者として自分に話しかける。
    自分の仕事ぶりを、第三者として評価してみましょう。10名の部下をまとめてチームとして機能させ、新しい契約を勝ち取り、会社に利益をもたらし、顧客からは感謝された。そんな仕事を達成した人がいたら、あなたはきっと「すごいよ。誇らしいよ」と評価しますよね。第三者として、自分の仕事を評価してみましょう。
  • 自分が達成してきた事を書き出す
    自分がこれまで仕事で達成してきた事を紙に書き出しましょう。まず今の会社に入社できた事。資格試験に合格した事。A社から新しい契約を取ったこと。自分が成し遂げてきた事を書き出して見える化しましょう。そのすべてが、運やたまたまであったはずはないのです。
    一部幸運が味方したかもしれませんが、すべての実績が幸運によって作られたわけではないのです。
  • 「おかげさまで」と感謝する
    自分が達成してきた事を書き出してみて、すべての実績が幸運によって達成されたとしか思えないというのなら、あなたはものすごく、奇跡的に幸運な人ということになります。それはそれで、ある意味すごいことです。そんな幸運に恵まれている事に感謝しましょう。そういう幸運を得ることができたのも、周りのおかげと思い「おかげさまで」という気持ちで周りに感謝しましょう。そして、それほどの幸運に恵まれたあなたですから、その幸運を他の人にも分けてあげましょう。自分の仕事の成功だけを目指すのではなく、他の人の仕事の手伝いやアドバイスを提供して、幸運を分け与えましょう。
  • 第三者に自分の仕事ぶりについてどう思うか聞いてみる
    これは業績評価をする上司よりは、同僚や年齢が近い先輩に聞いた方がよいでしょう。自分の仕事ぶりを第三者としてみてみようとしても難しい時、他の人に自分の仕事ぶりについてどう思うか尋ねてみましょう。批判や改善した方がよいという意見もあるかもしれませんが、あなたの仕事ぶりを認める言葉も聞けるでしょう。
  • 自分の今の立場は自分の努力の結果であると確認する
    プロジェクトや契約獲得営業やプレゼンテーションなど、大事な仕事を進めていく時に、そのプロセスを記録しておきましょう。いつ何をしたかをノートに記録しておきます。その仕事が成功したら、そのノートを読み返して、自分の努力の跡を確認しましょう。自分の努力があったからこそ、成功を勝ち取ることができたのです。もちろん、運やチームワークもあったかもしれません。でも、あなたの努力なしには、勝ち取ることが出来なかった成功のはずです。

自分がインポスター症候群ではないかと思った時には、以上のような方法を試してみて下さい。

また、「自分の力だけで成し遂げた」と思うよりも、「周りのおかげさまで」「運がよくて」成し遂げたと感じる事も、100%悪いわけではないと覚えておきましょう。自分だけが偉い、自分だけが凄いという間違った自己肯定に陥らずに済みます。

※Susan David 著『Emotional Agility: Get Unstuck, Embrace Change, and Thrive in Work and Life 』を参考にしています。

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