前回紹介した「テロメア・エフェクト」。
ノーベル医学生理学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン博士と健康心理学者のエリッサ・エベル博士が著した『The Telomere Effect:テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム』の中で、テロメアを伸ばすための生活改善プログラムが紹介されています。テロメアを長くする一日の過ごし方と、テロメアを短くする一日の過ごし方は、小さな選択の違いによって、決定的な差を生み出していきます。
2種類の一日の過ごし方を比べてみましょう。
テロメアが短くなる一日の過ごし方例
起床時:一日を想像してストレスや不安を感じる。すぐスマートフォンをいじる。
早朝:運動した方がいいと思いながらしない。
朝食:ソーセージとベーグル。
通勤:通勤ラッシュにもまれ腹が立つ。
出社:会社に着いたらすぐミーティング。仕事を始める前からあれこれ想像して不安。
職場:頭の中で自己批判。やる事が多くてマルチタスク。
昼食:ファーストフードか加工食品。早食い。
午後:甘い飲み物やお菓子、キャンディを食べる。
退社:同じ事を何回も頭の中で反芻。ネガティブ思考になる。
夕食:テレビを見る。加工食品を食べる。
夜:雑事を片づける。忙しすぎて頭痛。
テロメアが長くなる一日の過ごし方例
起床時:一日を楽しみに目覚め、生きている事に感謝。
早朝:散歩や気功など、有酸素運動をする。
朝食:オートミール、果物、ヨーグルト。
通勤:3分間の呼吸瞑想を行う。
出社:始業の10分前に会社に着いて、仕事の前に心を落ち着かせる。
職場:一度に一つのタスクに集中。セルフ・コンパッションの休憩を間に挟む。
昼食:新鮮な野菜が取れる店にいく。マインドフル・イーティングを心掛ける。休憩時間に配偶者や同僚と話したり、メールしたり、コミュニケーションを取る。
午後:甘い物を食べたい衝動を受け流す。ナッツをおやつに食べる、ストレッチをする。
退社:会社を離れたら、精神的に距離を置く。3分間呼吸瞑想を行う。
夕食:加工食品の少ない、ホールフードの食事を取る。家族の話をちゃんと聞く。
夜:運動をする。一日を振り返ってチャレンジした事の評価をする。入眠のための儀式を行い、リラックスして寝る。
一つ一つの行動は小さなものですが、一日の中で常にテロメアが短くなる選択ばかりして、それが1年365日繰り返されれば、テロメアに与える影響は大きくなっていきます。
すべて完璧にテロメアによい選択でないとしても、部分的だけでもテロメアによい方を選ぶ事から始めていきましょう。
朝運動する、朝食をオートミールにする、会社に10分早く着く、3分間瞑想をする等、小さな変化から起こしていきましょう。
科学と心理学の融合の見地から、ポジティブ心理学のスキルを実践して、テロメアを長くする働きかけをしていきましょう。
小さな変化やきっかけが一日を大きく変えていく可能性があることは「朝こそカスケードエフェクトを生み出そう」でも紹介しましたので、そちらも参考にして下さい。