オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
仕事に前向きになる方法

「仕事をしない」仮想現実を味わってみる

仕事が嫌。会社が嫌。やる気が出ない。もう辞めたい。

そういう気持ちが高まってきたら、辞表や退職の前に、ちょっと小休止を入れてみましょう。そして、今の仕事を本当に辞めてみたらどうなるかという仮想現実を味わってみましょう。

「会社を辞めている自分」という状況を経験してみるのです。お休みの日や、あるいは有給を取れた日に、「仕事に行かない自分」というものを味わってみましょう。可能なら3日続けてお休みできる時に、この仮想現実体験をしてみることをお勧めします。

大前提は、「仕事をしない」仮想現実にいる間は、お給料が出ない前提ですから、お金は使えません。今お財布にあるお金しか使えないとしてください。クレジットカードも使えません。

朝起きて、会社に行く支度をする必要がありません。通勤電車に揺られて職場へ向かう必要もありません。同僚と会話する必要もありません。何時までにこれをしないと、と時間に追われる必要もありません。きちんとしたスーツやワンピースを着る必要もなく、メイクもしなくてよいかもしれません。朝寝坊してもいいし、一日中パジャマでいるなんてことも、あなたがしたかったらしてもいいのです。

忙しくてできなかった家の中の片付けをしてみる。食べたいものを料理してみる。あるいは一日ごろごろとテレビを好きなだけ見る。あるいは友人と夜遊び。好きなように過ごしてみます。

一日目は、好きなように時間を使える解放感が楽しいかもしれません。何かをしなくてはいけないという義務や責任から逃れることができて、嬉しいかもしれません。

でも、それが二日、三日も続くと、段々と違和感を覚えるはずです。人間ずっとテレビだけ見て過ごすことはできませんし、いくら好きだからといって何日もごろごろと寝転がっていれば退屈してきます。夜遊びばかりしていると疲れてきます。そんな生活が数日どころか永遠に続くとしたら。とても自堕落な自分になっていって、そんな自分が嫌になるのではないでしょうか。

人間好きなことだけしていていいと言われても、実際にはできないと思います。好きなことだけ続けていいとなっても、今度はその「好きなこと」が義務や苦痛になってくることも多いのです。

朝起きて、何もしなくてもよい日々。最初は楽だと思っても、それがずっと続けば退屈になります。何かをしなくてはならないということがない日々。苦労がないと思っても、何もすることがないことは実は苦痛を連れてきます。毎日に張りもなく、何をしたということもなく、停滞した時間だけが続くことになります。

そして働かないわけですから、お給料がないわけで、手元のお金は減っていくばかりです。お財布に入れてあったお金は使えば使う分だけ減っていき、お給料によって充填されることがないわけです。

私はこの「仕事をしない」仮想現実体験を3日ほどしてみたことがあるのですが。仕事に行かなくていい、会社に行かなくていい、がイコール幸せ、ということではないのだなあと、実感しました。

今の会社には行かないにしても、あなたはそのうち何もしない生活に耐えられなくなり、何かをしたくなるでしょう。お金も必要だし、ちょっとは働かなくてはいけないという気持ちになるでしょう。

よく考えてみると、働くこと自体を辞めたいわけではなく、今勤めている会社、あるいは職種が嫌なだけかもしれません。もしそうであれば、転職や職種の変更を考えてみるというのも一つです。

あるいは、あなたがただ疲れていただけなのかもしれません。心と体が疲れて、少し休みたかったのかもしれません。数日休んでみたら、働く意欲が再び湧いてくるかもしれません。

休みが有限で、休みが終われば仕事に行かなくてはいけない。だから、休みがありがたく、すぐ過ぎてしまう気がするけれど、永遠に休みであったら、その休みをありがたいと思うでしょうか。

私は仕事でお会いした諸先輩方の話を聞いて、永遠の休みは決して楽しいものではないことを知りました。定年を迎えて、もうネクタイをして会社に行かなくてもよい。仕事のスストレスから解放されたと思って一瞬喜んでも、会社に行かない日々が一か月も続くと、働きたい、またネクタイをしめて出社したいと多くの方が思うそうです。そして違う仕事を始める方も多いのです。

仕事をしない、会社に行かないことが幸せとは限らないですし、ストレスがなくなるとも限らないのです。仕事をしないことは、違う種類のストレスをもたらすでしょう。

結局人間は、どういう状況に置かれても、多かれ少なかれストレスを感じ、楽しさも感じるものだと思います。そのような「悟り」を感じるためにも、数日、「仕事をやめた自分」を想定して味わってみるのもいいと思います。

普段の毎日から離れて、仕事をしない自分を想像してみましょう。意外な気づきがあるかもしれません。それでもどうしても今の仕事や会社が苦痛なほど嫌だと感じるのなら、異動願い、転職など対応策を考えていいます。

 

 

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