国連が発表するQuality of Life indexがあります。国ごとに暮らしのクオリティをランキングしたもので、1年に2回発表されます。購買力、収入に比べて不動産価格はどうか、医療の充実ぶりや安全性や生活費、通勤状況など複数の指数を総合して、生活のクオリティを計測しています。
ここ数年一位はスイス。デンマークやオランダやオーストラリアも上位の常連です。2022年6月の時点では、やはりスイスが一位。二位がデンマーク、三位がオランダ、そして四位がオーストラリアです。
フィンランドも常に上位の常連国ですが、ロシアのウクライナ侵攻の後、少しランクを下げ、オーストラリアがフィンランドを抜きました。
(ちなみに日本は16位。米国や英国よりも上にランクされています。)
暮らしのクオリティ世界四位になったオーストラリアですが、オーストラリアの公共放送、Australian Broadcasting Corporationが、国民に幸せや充実感を人生に感じてもらう8つのステップを紹介しています。
ストレスを感じている時に、そのストレスと真正面から向き合うことも一つの方法ですが、ストレスの元以外の部分の人生を充実させ、ストレス外の時間や経験で、自分を労わり励ますことも、ストレス・マネジメントの方法の一つです。
オーストラリアの幸福感を感じるための8つのステップを見てみましょう。
- 目標や自分の価値観を持つ。特に目標が自分の価値観とマッチしていることが大事。
- ランダムな親切行為。車が前に入ろうとしたら、クラクションを鳴らして怒るのではなく、どうぞと割り込ませてあげるなど、日常の中で親切な行為をたびたび行う。
- マインドフル・リビング。今この時間を意識して生きる。マインドフルネスな時間を一日の中に持つ。
- 自分の強みと、問題を解決するための方法にフォーカスする。自分の弱みや欠点ばかり見つめないこと。問題が起きたら問題に悩まされ振り回されるのではなく、問題を解決に導く方法を探す。
- 感謝する。日常の何気ない事に感謝し、周りの人間に感謝する事。感謝する事を習慣にする。
- 許す。他人の態度や言葉、過去の失敗など、他人や自分に対して憎しみや怒りを抱えている時に、過去の事は水に流そうと他人や自分を許す。許すことを手紙に書くことも有効(その手紙は投函しなくてもよいのです)
- ソーシャル・ネットワークを持つ。既に知っている人達に声をかけたり、関心を持つだけでも十分。あるいは趣味のコミュニティに参加する。
- 3つのR:Reflect, Review, Renewal。反映し、振り返り、更新する。自分の行動や人生を振り返り、改善する点は改善し、自分をアップデートしていく。一つのテーマを決めてレビューすると有効。
幸福感や充実感を人生に感じるようになると、ちょっとしたストレスを感じても、やり過ごせたり、スルーできるようになります。また、ストレスの元に向き合って解決していくためのエネルギーも沸きやすくなります。
ストレスを感じている時は、ストレスそのものに向き合うのではなく、ストレス外の世界の幸せを増やす事も、ストレス・マネジメントの一つの方法です。
※The university of Sydneyの講義「Positive Psychiatry & Mental Health」を参考にしています。