オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

ストレス・マネジメント⑦ ストレス反応には4つの段階があります。

私達がストレスを感じるプロセスは4段階あります。
普段は意識せず、嫌な事や苦しい事があると「ストレスだ~!」となりますが。
心理行動科学的に見ていくと、ストレスの元と遭遇し、心身がストレス反応を起こすまでには4つの段階があるのです。

  1. 心理的あるいは身体的な要求:息苦しくなる、呼吸が速くなる、いらいらする、不安になるなど、体や心からの、ストレスの元と遭遇した時の反応。この事象が「ストレスの元だ」と心身が認定する。
  2. 認知と評価:その事象が自分にとってどれくらい重要か、自分がその事象を解決するためのリソース(能力や周囲からのサポートや経済力や時間など)をどれくらい持っているかを判断。
  3. 心理的反応:ストレスの対象に対して心理的にどう反応するか。逃走するか闘うか反応になる事がほとんど。
  4. 行動:その場を逃げ出す、怒りを相手にぶつける、泣く、問題を見て見ぬふりをする、暴力行為に出る、飲酒や喫煙などの逃避行動に走る。

この4段階は、多くの場合無意識に一挙に4の「行動」まで突っ走る事が多く、一瞬のうちにストレスの元に対する私達の行動を決定してしまいます。

一瞬のうちに4の「行動」まで行きつくと、たいていはストレスの元に対して、建設的な反応はできず、ストレスの元を解決するための方法にフォーカスすることはできなくなります。ストレスの元に対して、逃走、逃避、あるいはまったく役に立たない行動に走ることは多いのです。
しかも、同じストレスの元に対して、いつも同じようなストレス反応を繰り返していると、Aというストレスの元に遭遇したら、Bという行動をするというストレス反応のパターンが出来てしまいます。そうなると、Aというストレスの元に遭遇すると必ずBという行動をするという、パブロフの犬的な無意識のストレス反応をしてしまい、変えることが難しくなってきます。仕事で嫌な事があると(A)、必ず深酒をする(B)というように、A→Bというストレス反応のパターンが確立されてしまうと、パターンを崩すのに時間とエネルギーが必要になってきます。

ですから、ストレス反応を起こすこの4つの段階を一瞬で駆け抜けないよう、4の「行動」へ到達するまでに時間をかけ、どのような段階を踏んでいるのか、自分が意識する事が重要です。そのための方法としては、まず、ストレスの元に遭遇したら、それに対して行動するまで時間をかける事です。ストレスの元に対して、その場ですぐ反応しない事が重要です。

それから、2の「認知と評価」の段階に時間をかけることです。とても大きな難問に思えて強い不安を感じていたとしても、自分の人生にとっては実は大した問題ではないとわかったり、人の助けを借りることで問題がスムーズに解決することもあります。ストレスの元に対する認識と評価に時間をかけましょう。

そして3の「心理的反応」、4の「行動」の段階では、「他にも方法があるのでは」「他の選択肢があるのでは」というアザー・オプションOther Optionを見つけようとする事です。

あるいはその思い込み、心理的反応は、間違っているのではないか?事実とは違うのではないか?と、物事の事実や全体像を確認するようにします。

仕事で嫌な事があったらヤケ酒をして翌日二日酔いでますます会社に行くのは嫌になる・・・という、いつものストレス反応の他に選択肢があるのではないか?先輩に相談する、仕事術の本を読んでみる、自分が仕事で達成してきた事をリストアップしてみるなど、他の道があるのではないかと、他の世界を探求してみます。そもそも仕事で嫌な思いをした原因は何だろう?自分に改善する所があるのかな?と、問題解決の方向に考えを向けてみます。いつものストレス反応のパターンを崩してみるのです。

そして、ストレス反応の4つの段階を意識するためには、マインドフルネスが重要なキーになってきます。無意識ではなく、自分の心の状態や行動に意識を向け、瞬間、瞬間に集中する事がマインドフルネスだからです。ストレスの元と遭遇した時に、自分の心身がどう反応するか、自分がどのようにその事象を捉えているかを気づき、自分で自分の心身の流れを追うように、意識して自分の考えを追っていきます。

これまでもこのブログで紹介してきた通り、マインドフルネスを心がける事で、心がオープンになったり、クリエイティブになって他の選択肢を思いついたり、感情よりも問題解決の方法に目が向いたりします。

ストレス反応を減らす、緩和するためには、マインドフルネスを毎日の中で練習するようにしていく事が効果的です。

※The university of Sydneyの講義「Positive Psychiatry & Mental Health」を参考にしています。

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