ストレスは嫌な物、避けたい物と思いがちですが、すべてのストレスが私達を不幸にするわけではありません。
むしろ適度なストレスは、私達をやる気にさせ、物事に挑戦させ、能力を伸ばすエンジンになります。
成長していくためには、ある程度のプレッシャー、外からの刺激が必要なのです。
適度なプレッシャーがかかると、人間はパフォーマンスを向上させることができます。
仕事で大きなプロジェクトを任せられた時、プレッシャーを感じるし不安もあるでしょうが、一生懸命にプロジェクトに取り組み、つまずくたびに新しいスキルを学んでプロジェクトを成し遂げた時、大きな達成感を感じるでしょう。
スポーツでいつも1キロしか走っていない人が少しずつ距離を伸ばして1年後には3キロを走れるようになれれば、その過程は苦しいこともあるでしょうが、3キロ走れるようになるという能力の拡張ができます。
逆にノーストレス、外からのプレッシャーが何にもない環境にいると、退屈してきますし、進歩がないので日々味気ないものになります。
一方、プレッシャーが大きすぎる、常時外からの強いストレスにさらされている環境では、不安や心配に押しつぶされそうになり、委縮し、諦めに走ったりして、充実感どころか、心理的に不安定な状態になってしまいます。
重要なのは、適度なプレッシャーによって、自分のパフォーマンス、充実感を最大化できるスィートスポットを探して、その領域に身を置くことです。
ストレスが嫌だからと逃げ回っているだけでは、このスウィートスポットに行けません。
ストレスの元と遭遇した時、このストレスの元は、自分の能力を伸ばすきっかけになるか?新しいスキルを身に付ける肥やしになるか?乗り越えれば達成感を感じられるか?自分に問うてみましょう。
もしその問いの答えがイエスならば、そのストレスの元には向き合っていった方が、自分の能力や幸福感をアップしてくれます。
ストレスはすべてが悪いものではないのです。
スウィートスポットに入るストレスなら歓迎だ!という気持ちで、ストレスの元に対してどーん!と構えてみましょう。
ただあまりにもストレスが強すぎる、常時ストレスに押しつぶされそうだという場合には、ストレスの元から離れたり、ストレスの元をなくすために行動を起こしていく必要があります。また、ストレスの元と向き合っていくためのレジリエンスを鍛える必要があります。
「ストレス・マネジメント➁ ストレスを緩和する方法と、ストレスと向き合う方法」や「
レジリエンスを使って自分を変えていく方法⑪ ABC上級コースのワークシートを使って自分の考えを整理してみましょう。」を参考にしてみて下さい。
※The university of Sydneyの講義「Positive Psychiatry & Mental Health」と、Rice University Dr. Elizabeth Slatorによる講義『Mindfulness & Well-being』を参考にしています。