ストレスを感じている問題を一つ特定したら、いよいよその問題と向き合っていきます。
ストラクチャード・プロブレム・ソルビング(SPS)の2つ目のステップは、ブレインストーミング。その問題について、あれやこれや考えて、自問自答してみます。
ブレインストーミングの方法にも数種類あります。その一つがルート分析。問題の根源がどこにあるのか、問題の発生地点を特定していく方法です。
そして、ルート分析にも幾つかの種類があります。
今回はまず5Whyというルート分析の方法について説明していきます。
問題について、なぜそうなるのか?なぜ問題なのか?とWhy(なぜ)を5回繰り返していく方法です。ブレインストーミングの手法としては、一つの線で掘り下げていく方法です。
なぜその問題が起こっているのか?から始めて、5つのWhyを自分に問うていきます。
例えば、「会社に行く事が憂鬱だ」と感じ、それがストレスの元になっているケースについて考えてみます。
問題は「会社に行く事が憂鬱に感じる」です。5Whyでルート分析してみましょう。
会社に行く事が憂鬱に感じる。
↓Why?
職場の上司が嫌だから。
↓Why?
私の仕事を評価してくれないから。
↓Why?
同僚のA子の仕事ばかり高く評価して、私の仕事は褒めてくれない。
↓Why?
A子のプレゼンテーションは確かに素晴らしいけれど、私だって一生懸命やっているのに、私の努力を上司はわかってくれない。
↓Why?
私はA子のように上司に仕事のアピールをしていない。
このように5回Whyを繰り返していくうちに、このケースの問題は、「会社に行く事が憂鬱」というよりも「上司がA子さんばかり評価して、自分の努力をわかってくれない」という不満が問題の根源だとわかってきます。そして職場で評価されている同僚のA子さんに対する嫉妬も、問題の根源には存在していることが見えてきます。
5Whyのルート分析によって、ストレスだと思っている問題の根源を突き止めたら、その根源を取り除く事にエネルギーを集中できます。「会社に行く事が憂鬱だ」とずっと鬱々と思っているよりも、問題の根源を突き止め、それに対して行動を起こしていくことに自分の軸をシフトしていくのです。
一方、5Whyのように、問題の根源が直線的に出てこない場合もあります。
次回は、複数の根源が絡み合っているケースのルート分析の方法について紹介しましょう。