ストラクチャード・プロブレム・ソルビング(SPS)ではステップ2のブレインストーミングにたくさんの時間をかけます。ストレスを引き起こしている問題の根源を探るルート分析と、それにまつわるデータ収集には1週間前後の時間をかけて、じっくり問題を深堀しましょう。その深堀の過程で、問題解決のヒントが浮かんできます。
ここがつまずきの問題だったのか!
ここが問題の発生点だったのか!
ここを変えれば、どうにかなるかもしれない。
こういう解決法もあるのか!
そういう気づきを味わいながらステップ2を進めていきます。
そして「気づき」はノートにメモしておきましょう。
ステップ3では、ステップ2での「気づき」を基に、問題解決のための様々なオプションを考えていきます。
問題の解決に結び付きそうなアイディアを、ステップ2の過程で書き出した「気づき」や「ヒント」「情報」を基に、ポストイットに書き出していきましょう。
1枚のポストイットに、1個のアイディアを書きます。
100%正解である必要はありません。これはどうかな?という確信が持てないアイディアもポストイットに書き出していきましょう。
なるべくたくさんのアイディアを書き出すようにしましょう。この作業は一度に済ませる必要はありません。数日かけて、アイディアを加えていきましょう。
アイディアを全部書き出したら、すべてのポストイットをテーブルの上に並べて、少し上から全体を眺めてみます。そして次の作業をしてみましょう。
- これはやっぱりだめだなというアイディアや、重複している内容のポストイットを削除しましょう。
- 1ヵ月内に実行可能な内容と、それ以上の時間がかかる内容とに、ポストイットを分けましょう。(1ヵ月以上の時間がかかる内容のポストイットも後で使いますので捨てずにノート等に貼って取っておきます)
- 1ヵ月以内に実行可能な内容のポストイットを、同じ種類と思われるポストイットごとにグループ分けしてみましょう。
- グループ分けしたポストイットを見ながら、ポストイットに書かれたアイディアのレート付けをしていきます。レート付けをすることで、最初に取り掛かるアイディアを1つ選び出すのです。
例えば前回にあげた「会社に行く事が憂鬱」であるストレスを抱えている場合、その原因が「上司が自分の仕事を評価してくれない」事よりも、実は「自分が最近新契約を獲得していない」「同僚A子ばから上司から評価されていると思う」「A子のプレゼンテーションは素晴らしく、自分のプレゼンテーションは劣っている」ということが問題の根源だったとします。2のブレインストーミングを経て、これらの問題を解決するアイディアをポストイットに書き出していくと次のようなアイディアが出たとします。
- 見込み客に商品提案する時だけ連絡するのではなく、定期的に(毎週月曜の朝)見込み客に役立つ情報を集めてメールすることをしてみる。
- 見込み客を増やす方法を先輩に聞いてみる。
- A子のプレゼンテーションのやり方をよく観察してみる。
- A子に、なぜそんなにプレゼンテーションが上手いのか聞いてみる。
- 上司に不機嫌な顔で対応しない。
- 上司から批判を受けたら「指導頂きありがとうございます」とまず言う。
- プレゼンテーション資料の上手な作り方を勉強するために本を一冊買って読んでみる。
これらのアイディアのうち「プレゼンテーション能力を磨くために講座を受講する」は実行可能だとは思いますが、仕事で忙しい時に時間を取りにくいかもしれません。1ヵ月以内に実行できるとは限らないアイディアなので、とりあえず今は外しておきます。
その他のアイディアは1ヵ月以内に実行可能なので、これらのアイディアをレート付けしていきます。
次回はレート付けの方法を説明しましょう。