ネガティブ感情を処理する方法として、ネガティブな感情を感じた時に、
- 状況
- 感じた感情の種類
- 自動的に浮かんだ思考
- 認知のゆがみ
- 合理的な反応
- 合理的な反応を認識した後の変化
の6つの項目をノートに書き出すことをお勧めしています。
前回「認知のゆがみ」を書き出してみました。
前回の例でいえば
- ゼム・トラップ
- マインド・リーディング
- 一般化のし過ぎ
- 結論の飛躍
という「認知のゆがみ」に自分は陥っているのではないかと、書き出すことで気づきます。
次に⑤の「合理的な反応」を書くことで、「認知のゆがみ」に対抗していきましょう。
「自分の考え方や認識が「認知のゆがみ」によって、真実とは異なっている、ゆがめられている」という前提に基づき、「認知のゆがみ」の囚われない、事実に基づいた合理的な考え方を探して書いていきます。
前回の例でいえば・・・
- Aはなんて失礼なヤツなんだ!いくら客だからといってあんな態度を取っていいはずがない!→全部Aのせいにしている。ゼム・トラップかも?
⇒確かにAの言い方は失礼だと思う。しかし、本当にAが忙しい時間に自分は電話したのかもしれない。自分は朝一がよいと思い、朝9時にAに電話をした。しかしAも朝一で仕事が忙しかったのかもしれない。あるいはAはたまたまその時いらいらしていたのかもしれない。
- 自分はAに軽んじられている。→Aの内心はわからないのに決めつけている。マインド・リーディングかも?
⇒一回の電話でAが自分を軽んじていると決めつけることはできない。
- Aは自分を信頼していないし、尊重もしていない。→これもマインド・リーディングかも?
⇒一回の電話でAが自分を軽んじていると決めつけることはできない。実際、先日電話した時は順調に会話が進んだ。面談の時もAとの会話は弾んだ。
- 自分は営業員としては能力がないかもしれない。→一度Aに電話を切られたことだけで決めつける必要はないかも。一般化のしすぎか?
⇒一回の電話でAに怒鳴られたからといって、自分の営業員としての能力が全部だめだと決めつける必要はない。A以外にも自分には顧客がいる。
- もう営業の電話なんてかけたくない。→一度Aに電話を切られたことだけで決めつける必要はないかも。一般化のしすぎか?
⇒すべての顧客に営業の電話をかけて、Aと同じように切られるとは限らない。実際、今まで、会話が弾んで契約に至った営業の電話もある。
- どうせAみたいにガチャンと切られる。→一度Aに電話を切られたことだけで決めつける必要はないかも。一般化のしすぎか?
⇒すべての顧客に営業の電話をかけて、Aと同じように切られるとは限らない。実際、今まで、会話が弾んで契約に至った営業の電話もある。Aだって、電話をあんな風に切ったのは今回だけだ。
- 自分は営業には向いていないのだ。→結論の飛躍か
⇒一回の電話でAに怒鳴られたからといって、自分の営業員としての能力が全部だめだと決めつける必要はない。A以外にも自分には顧客がいる。
絶対に自分は「認知のゆがみ」に惑わされているという前提で、状況を合理的に考えようとすれば、何かしら反論や反対の意見、別に見方が出てくると思います。
それを文字にすることで、ますます、考えが合理的になってきます。
「合理的な考え」を書き出した後、自分の感情がどのように変化したのか「合理的な反応を認識した後の変化」を「感じた感情の種類」と比較して書いてみましょう。
例でいえば
- 怒り80%。落胆20%
でしたが、「合理的な考え」を書き出した後は
- 怒り40%。落胆5%
くらいにトーンダウンしているのではないでしょうか。自分のネガティブな感情が「認知のゆがみ」に気づき、合理的な考えに直すことで、どれくらい減ったかを数値化することで確認しましょう。
ネガティブな感情や考えは、「認知のゆがみ」により歪められた、真実ではない内容を含んでいると捉えて文字化する事で、その量や広がりが多くの場合減っていきます。
特に「自動的に浮かんだ考え」の中に、次のような言葉が含まれている時は、ほぼ100%「認知のゆがみ」により事実ではない内容を感じているケースです。これらの言葉が含まれていたら、イコール「認知のゆがみ」だと気づきましょう。
どうせ いつも みんな すべてが 私だけ 絶対に 全部 これからもずっと