やらなくてはいけないとわかっているけれど、なかなか取り掛かれない。
締切が迫っているのに、ぐずぐずして始められない。
やらなくてはいけない事をついつい先送りしてしまう。
そんな先送り癖は多くの人が経験しているのではないでしょうか。私も先送り癖には手を焼いています。
やらなくてはいけないとわかっているくせに、先送り、先延ばしにして、締め切りに追われる。あるいはやらずじまいに終わり、自己嫌悪。
先送り癖は、結構ネガティブな気持ちを深くします。自己否定を深め、自尊感情を傷つけます。
そこで先送り癖を解決するワザを身に付けましょう。
その一つが「ぐずぐず主義克服ノート」を書くことです。
やらないといけない事について事前に困難度を予想し、実際に完了した後で実際の困難度をもう一度記録して比較するのです。満足度も事前と実際で比較してみましょう。「ぐずぐず主義克服ノート」に書く要素は次の6点です。
- 日付
- やらないといけない事
- 予想した困難度
- 予想した満足度
- 実際の困難度
- 実際の満足度
例えば「交通費の精算をしないといけない」とわかっているのに、つい先送りしてしまう場合を考えてみましょう。
交通費を月末までにやらないといけない。交通費のレシートが引き出しの中にしまっている事はわかっている。でも業務が忙しくて手をつけられない。しかし、実際には時間はあることもわかっている。交通費の精算が面倒だという思いが頭にこびりついている。
そこで「ぐずぐず主義克服ノート」を書いてみます。
- 日付:1月25日
- やらないといけない事:交通費の精算を1月31日までに完了させて経理部に提出しないといけない。
- 予想した困難度:90%(面倒そうだし時間がかかりそう)
- 予想した満足度:50%(どうせ大した仕事ではない)
- 実際の困難度:30%(取り掛かってみれば30分で完了できた)
- 実際の満足度:100%(経費精算の締め切りを守ったことで気分爽快になった)
交通費の精算は面倒そうだと予想することでつい先送りしていました。しかし、予想と実際の困難度を比較してみれば、困難度はそれほどでもなく、終わらせれば満足度が高い作業だとわかりました。
これを記録しておけば「交通費の精算はそれほど面倒な作業でなく、終わらせれば満足度が高い」ということを自分で認識できます。
翌月末にまた交通費の精算のタイミングになって、面倒だなあとつい先送りしそうになったら、ぐずぐず主義克服ノートの記録を見返して、そうだ、それほど面倒な作業ではなかったのだと思い出しましょう。
このぐずぐず主義克服ノート10パターンくらいつけていくと、多くの場合、実際の困難度が予想した困難度よりも小さいこと、実際の満足度が予想した満足度よりも大きいことを認識できます。
先送りする事のメリットがないことを、自分の記録により確認できます。
先送り癖を直す方法の一つとしてぐずぐず主義克服ノートを書いてみましょう。
※このシリーズでは、デイビッド・D・バーンズ氏、アーロン・T・ベック氏の研究、著作を参考にしています。