オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ネガティブ感情の対処法

書いて解きほぐすネガティブ感情シリーズ⑮ 私達は時々完全主義と恐怖に惑わされると知っておく。

「私はいつも幸福でいる事が当然で、絶対に失敗やミスをせず完璧でいなければならない。弱さや欠点があってはならない。そんな完璧な私はすべての人に認められ、私の価値はどれくらい多くの人に認められるかで決まる。私の周りの人達は、私が期待する通りに動かないといけない」

こんな人がいたら、どう思いますか?

何を非現実的な事を言っているの!?と思いますよね。自分のことを神だとでも思っているわけ!?と腹ただしくなりますよね。

ところが、こんなとんでもない考えをする人に、あなた自身が時々なっているのです。

「書いて解きほぐすネガティブ感情シリーズ⑨  怒りの特徴を知っておく」で、怒りの感情は「非現実的な予想」を持っている時に起こりやすいと説明しました。

書いて解きほぐすネガティブ感情シリーズ⑨  怒りの特徴を知っておくアンガーコントロール...

「非現実的な予想」は、成長の過程や育ってきた社会の中でいつのまにか刷り込まれ、当然のルールのように思い込んでいる「完全主義」や「恐怖」が根っこにある事が多いのです。私達が抱きやすく、普段は意識しないけれども私達の思考に影響している「完全主義」と「恐怖」にどのようなものがあるかを知っておきましょう。

 

  • 感情の完全主義「私は常に幸福と自信を持ち感情をコントロールできなければいけない」
  • 業績の完全主義「私は決して失敗したりミスを犯してはいけない」
  • 自己認識の完全主義「人々は欠点のある弱い私ならば私を愛することはないし、受け入れてくれない」
  • 全能感の完全主義「人はいつも私が期待する通りに振るまわなければならない」
  • 認められないことや批判への恐怖「私が価値ある人間でいるためにはみんなに認められなければならない」
  • 拒絶への恐怖「愛されないなら私の人生は生きるに値しない」
  • 孤独への恐怖「一人でいるとみじめで満たされることはない」
  • 失敗への恐怖「私の価値は(仕事や社会的地位などの)実績で決定される」
  • 否定的感情への恐怖「私は怒ったり、心配したり、嫉妬や弱さを持ってはいけない」

 

これらの完全主義や恐怖は個人の哲学や価値観の中に深く埋め込まれていて、普段は意識しないかもしれません。しかし、自分にとって辛い状況や困難な場面に直面してネガティブな感情が出てくると、これらの完全主義や恐怖が表に出てきて、私達の感情や考え方を支配することがよくあります。

だからこそ、これらの完全主義や恐怖は、多くが「非現実的な予想」を作っていて、自分の考え方や感情が「非現実的な予想」によって歪められることがあると、知っておくことが大切です。

そのためにネガティブな気持ちになったら、一度自分の頭や心の中の感情を文字として書き出し、これまでに紹介した方法を使って処理していることが効果的です。

自分のネガティブな思考を書き出す事は、心や頭の中の声の「外在化」をすることになり、文字としてはっきり表すことで、冷静で論理的な思考を呼び起こしやすくなります。

ネガティブな感情の対処法は、一回で身に着くものではなく、何回も繰り返していくうちに対処法に慣れてきます。

自分にとって、あるいはそのシチュエーションにとって、最も適していると思われる対処法を使って、ネガティブな感情を処理していきましょう。

※このシリーズでは、デイビッド・D・バーンズ氏、アーロン・T・ベック氏の研究、著作を参考にしています。

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