Appreciative Inquiryアプリシエイティブ・インクワイアリ―(AI)、「価値を見出すための問いかけ」は、どのように問いかけるか、質問の仕方が鍵になります。
問題に遭遇した時にストラクチャード・プロブレム・ソルビング(SPS)によって問題を解決していく方法を以前紹介しましたが、SPSは「問題は何か?」「何が悪いのか?」という質問が鍵になります。
AIの問いかけは「How to change:何をどのように変えるか?」が鍵となります。
組織でリーダー役を担っている人にとってはなおさら、どうチームメンバーに問いかけるかが重要になってきます。
AIにおける2つの基本的な問いかけは以下の通りです。
第一の質問:過去可能性を実現した経験についての問いかけ。ある事(プロジェクト、計画、勉強など)において、既に可能にした事は何でしょうか?
第二の質問:将来の可能性を実現するための問いかけ。もっとよくなる可能性があるのなら、それを可能にするために何をすればいいでしょうか?
問題に遭遇した組織や個人は、かって自分達が成功したことがある、何かを成し遂げたことがあるという事実を忘れがちです。たとえ困難続きのプロジェクトだったとしても、何かは達成し、少しは進んだ部分もあると思います。過去の小さなサクセスストーリーを思い出しましょう。そして、その成功の秘訣、成功を導いた人々、成功を可能にした条件、状況を語りましょう。リーダーだけが話すのではなく、チームメンバー全員で過去のサクセスストーリーをシェアした方が共感が高まります。
現在はうまくいっていないにしても、過去はうまくいったこともあったし、何かを成し遂げた事もあったという事実を思い出し、チームでシェアしたら、第二の質問です。過去何かを成し遂げたことがあるなら、将来においても可能性を実現できるはず。そのためには何をすればいいのか、何を変えていけばいいのかをチーム内で問いかけます。リーダーがチームメンバーに一方的に話すのではなく、リーダーへの問いかけに、チームメンバーが自分達の考えや意見を出していった方がよいでしょう。その時に第一の質問で明らかになった過去のサクセスストーリーの材料(人、状況、方法など)を、今回も役立てられないか考えてみましょう。
そして問いかけに使う言葉選びも重要です。「なぜうまくいかないのか?」ではなく、「どうしたらうまくいのか?」と未来にフォーカスします。
リーダーからチームメンバーへの指令ではなく、チーム内でそれぞれが「これからどう変われば、どうすれば、うまくいのか?」という問いかけを共有するのです。
チームにおいてのAIを説明してきましたが、AIは自分自身に対しても使えます。問題や障害に直面している時、自分自身と語り合い、AIの基本の2つの質問をしてみることで、うまくいってない事ばかりにフォーカスするのではなく、現状をどうやって変えていけるか?という未来に視点が移っていきます。
ストラクチャードプロブレムソルビング(SPS)も問題解決の有効な方法ですが、AIも異なるアプローチの問題解決の方法として注目されています。