オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

心は嘘をつく①間違った確率に惑わされる

私達は自分の心が自分にとって正しい認識をしていると思いがちですが、実は違います。心は嘘をつきます。今まで育ってきた環境や、現在暮らしている社会、溢れんばかりの情報、周囲の人々の言葉などで、嘘や事実でないことを心が信じ込み、それをもとに行動や考えを決めてしまうことがたびたび起こります。

私達が陥りやすい誤った認識を、正確で論理的な考え方に直していきましょう。

その第一として、2つの現象の正しい関係性を理解する方法を検証してみます。病気に関して陥りやすい間違った確率を検証してみます。

咳が出て苦しい人が、インフルエンザにかかっているケースは30人中20人とします。

(これはあくまでもサンプルであって、実際の数字ではありません)

それでは咳が出て苦しい人が実際インフルエンザにかかっている確率はどれくらいでしょうか?

20/30=0.666・・・=約67%。

結構高い確率に思えますよね?

しかし、この計算は間違っています。

咳が出て苦しい人という現象Aと、インフルエンザにかかっている現象Bの関係性(統計ではこれが相関係数といいます)を計算するには、4つのデータが必要になります。

  1. 咳が出て苦しい人が、インフルエンザにかかっている数
  2. 咳が出て苦しい人が、インフルエンザにかかっていない数
  3. 咳が出ていない人が、インフルエンザにかかっている数
  4. 咳が出ていない人が、インフルエンザにかかっていない数

の4つのデータを集めなければ、咳が出て苦しい現象と、インフルエンザにかかっている現象との相関係数はわかりません。

この表のように4種類のデータが必要なのです。

インフルエンザにかかっているインフルエンザにかかっていない
咳が出て苦しい2010
咳が出ていない8040

 

4種類のデータを集めた上で、咳が出て苦しい人がインフルエンザにかかっている確率は

20/(20+80)=0.2→20%になります。

そして、咳が出て苦しい人がインフルエンザにかかっていない確率は

10/(10+40)=0.2→20%になります。

つまり、咳が出て苦しい人がインフルエンザにかかっている確率は20%、インフルエンザにかかっていない確率も20%と、同じ確率になります。

こうなると、咳が出て苦しいからインフルエンザにかかっているという直線的な考え方は論理的ではないということになります。

※数字はあくまでも計算のためのサンプルなので、実際の症状の数字ではありません。

世の中、「〇〇である」人が「△△である」確率は◇パーセントであるという論理がはびこっています。コロナウィルスが感染急拡大した時、マスコミには「〇〇の症状が出るとコロナである」という2つのデータのみを使った確率論がはびこりました。

その確率が本当に正しいのか、ちょっと考えてみた方がよいのです。

2つの現象の正しい相関係数を知るためには、2つではなく、必ず4つのデータが必要なのです。

4つのデータで検証していない数字は正しく相関係数を表していないことを覚えておきましょう。

※University of Michiganの講義「Mindware: Critical Thinking for information age」を参考にしています。

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