色々な選択肢がある時、どれを選択しようか迷うことがあります。つい「サンクコスト」や「損失回避バイアス」に惑わされたり、衝動的な感情で選択を決定したりすることがあります。
イチゴを買おうか、みかんを買おうかくらいの選択肢であれば、衝動的に選んでも大きな問題になりませんが。
どの車を買おう、どの家を買おう、どの大学に行こう、どの会社に就職しよう、誰をパートナーに選ぼうというような、人生に大きなインパクトを与えるような選択を迫られる時、冷静に、論理的に選択を決定し、後から後悔しないようにするために加重決定マトリックスが活用できます。
例えばどの家を買うかという決断をしようとしていて、3つの家が候補に挙がっているとします。どの家もメリットもデメリットもあります。どの家にしようか決める際に、加重決定マトリックスを使ってみます。
- 家を買う時に重要な決定要因になる項目を並べます。
- そしてその要因が選択決定にどれくらい重要なのかを、1を全体としてそれぞれの要因に重要度スコアをつけます。
- 次に家A~Cの項目ごとの満足度を0~10のレンジで点数をつけていきます。
決定要因 | 価格 | 広さ | 駅からの距離 | 間取り | 庭 |
重要度 | 0.5 | 0.3 | 0.2 | 0.2 | 0.1 |
家A | 5 | 5 | 7 | 4 | 0 |
家B | 7 | 5 | 3 | 4 | 3 |
家C | 7 | 3 | 4 | 5 | 7 |
表ができたら、A~Cの総合スコアを計算してみましょう。
重要度×各スコアの合計を求めていきます。
家Aの評価
0.5×5+0.3×5+0.2×7+0.2×4+0.1×0=6.2
家Bの評価
0.5×7+0.3×5+0.2×3+0.2×4+0.1×3=6.7
家Cの評価
0.5×7+0.3×3+0.2×4+0.2×5+0.1×7=6.9
この加重決定マトリックスによれば家Cの総合スコアが一番高いので、家Cを選択する事が自分にとって一番ベネフィットが高いと考えられます。
このように選択を決定するプロセスを数値化して決定することで
- 冷静で論理的な判断が可能になる
- 自分の決定を裏付ける証拠を手にすることで選択した後の後悔を少なくすることができる
- 自分の選択への納得感が強くなる
などのメリットがあります。
薔薇が咲いている素敵な庭に魅かれて・・・
無理すればローンを組んで払える値段かも・・・
素敵なウォークインクロゼットがあった・・・
そういう「なんとなく」魅かれる気持ちも大切ではありますが、家を買うなどの大きなインパクトを人生に与える選択には、自分の心から少し距離を置いて、冷静な判断を行ってみましょう。
※University of Michiganの講義「Mindware: Critical Thinking for information age」を参考にしています。