私達は様々な物事がストレスの元になり、ストレス反応を引き起こします。ストレスが全て悪いわけではありません。「ストレス・マネジメント⑩ ちょうどよいストレスはスィートスポットになりうる」でも説明したように、ノーストレスの状況は私達を退屈にさせ成長を阻害します。多少のストレスを受けた方が私達は変化しよう、改善しようと行動しますので成長を促進することになるのです。
しかし、そうはいってもストレスが過大になれば、不安症になったり無気力になることになります。
日々の生活の中で受けるストレスを自分が受容可能なくらいのレベルに調節する事が重要です。現実的にストレスがない人生というのはありえないと思いますので。
働く人にとってストレスを最も感じやすい場が職場だと思います。職場には会社の業績を上げるという目的のもと、生きてきた背景も教育も環境も世代も異なる多種多様な人々が集っています。ストレス反応を引き起こしやすい場といえます。
しかし、職場で生まれるストレスだからといって、職場でしか解決できないというわけでもありません。
ストレスを受けてストレス反応を引き起こす過程で、そのストレス反応を軽くする、なくす、あるいはストレスの元そのものを減少させるには、個人がレジリエンスを培っていく事が効果的です。
レジリエンスとは「ストレスをレジリエンスを身につけるワーク① レジリエンスは生きるワザ」でも説明しましたように「回復力」「チャレンジから成長する力」です。
職場のストレス・マネジメントのためにレジリエンスを養うには大きく2つのファクターがあります。
- ダイレクト・レジリエンス・ファクター:職場・仕事に直接関わるストレスをコントロールするための要素
- ライフスタイル・レジリエンス・ファクター:職場以外の暮らしにおいてストレスをコントロールする要素
そして①のダイレクト・レジリエンス・ファクターにはどのようなストレスの元(ストレッサー)を相手にするかによって4種類のストレッサーに分類できます。
- タイム・ストレッサー(時間に関係)
- エンカウンター・ストレッサ―(人間関係)
- シチュエーション・ストレッサ―(職場の環境に関係)
- アンティシぺイション・ストレッサー(予想する事に関係)
次回からは、4つの種類のストレッサーごとに、どのように対応して、自分のストレス反応を軽減し、レジリエンスを養っていくのか、その方法を紹介してきましょう。
※Macquarie University 「Build personal resilience」の講義を参考にしています。