職場のストレッサー(ストレスの元)の大きな一つがタイム・ストレッサー。時間に関わるストレスです。タイム・ストレッサーを減らす、あるいはタイム・ストレッサーを受けても過剰なストレス反応を起こさないようにするためには「時間を自分でコントロールしている」と感じ、そして実際にすべてとはいえないまでも多くの時間を「自分でコントロールする」事が効果的です。
前回はそのために自分が時間をどう過ごしているか確認する方法を紹介しました。もう一つ自分が「時間をコントロールしている」と感じるために有効な方法を紹介しましょう。
それがアイゼンハワー方式の仕事の4分類です。アイゼンハワーさんがタイムマネジメントの方法として考案しました。
仕事を、緊急度と重要度の2つの尺度により、4種類に分類します。
そして仕事の優先度を決めてから、「1最初に取り組む」に分類された仕事から始めます。
緊急度も重要度も低い仕事はToDoリストから削除しましょう。今だって時間がないと感じているのなら4に分類された仕事をしている時間なんてないはずなのです。
1に分類される仕事は、顧客のクレーム対応など、すぐに集中して取り組まなくてはいけない仕事です。
2は新しい商品のアイディアを整理する等、緊急度は低いけれど自分にとっては重要で、新しいチャンスを掴めるかもしれない仕事です。いつやるかを決めてスケジュールに書き込みましょう。
3は自分でやらなくてもよいと考え、代わりに作業してくれる人がいないか探しましょう。何でも自分がやらなくてはならないと思う必要はありません。例えばチームメンバーにメールを送るなどの仕事です。人に上手に仕事を割り振りできる事も、職場で必要な能力の一つです。
こうして仕事を4種類に分類し、自分が緊急度と重要度が高い仕事から取り組んでいると認識できれば、自分で仕事と時間をコントロールしているという自己肯定感が高まります。「時間に追われている」「やらなければいけない事が一杯で時間がない」というような焦燥感から脱却できるでしょう。
忙しさは変わらないかもしれませんが、自分が選んで忙しく過ごしていると考えることができます。
時間というストレッサーがストレス反応を引き起こすことが少なくなり、時間に追われて忙しい時はこうするというストレッサーをかわす、あるいは乗り越えるスキルが培われていきます。
次回はエンカウンター・ストレッサ―(人間関係)の対処方法について説明しましょう。
※Macquarie University 「Build personal resilience」の講義を参考にしています。