レジリエンスを培う重要な要素である健康。健康とは食事、運動、睡眠の3要素から成り立ちます。健康3要素を整えよう、改めようと思っても、なかなか続かない。すぐに元の生活に戻ってしまう。前回書いたように、これまで身に着いた生活習慣を変える事はなかなか難しいです。
そこで心理学を活用して、生活習慣を変えていき、健康の3要素を改善できるための行動を取っていきましょう。
ポジティブ・レインフォースメント(Positive Reinforcement)
- 体重を減らさないときれいになれない。
- 毎日運動しないとスタイルがよくならない。
- 7時間眠らないと疲れてしまう。
- 野菜を食べないと健康になれない。
〇〇しないと、〇〇になれない。
そのようなネガティブな動機で健康を目指すのではなく、ポジティブな動機を使っていきましょう。ポジティブな動機づけ、これがポジティブ・レインフォースメントです。
- 体重を減らすことで、着たいワンピースが着れるようになる。
- 毎日運動することで、気分転換できる。
- 7時間眠ることで、頭の中がすっきりして仕事に集中できる。
- 野菜を食べることで、便秘を解消できる。
〇〇すると、〇〇できる。
習慣を変えることで、可能になること、自分ができるようになる結果を考えます。その結果を目指して自分は習慣を変えようとしているという事を明確にしましょう。
〇〇しないことで起こる悪い結果を考えるのではなく、〇〇することで、可能になる自分の未来像を考えましょう。
プロンプティング(Prompting)
健康3要素を改善するために需要なポイントを文字に書き出して、頻繁に自分の目に入る所に貼っておきましょう。
ポストイットに書いてパソコンの前に貼っておいてもよいですし、紙に書いてキッチンの壁や洗面所の鏡に貼ってもよいでしょう。その行動を起こす場所に貼っておくことが効果的です。
自分の目につくところにフレーズを置くことをプロンプティングといいます。
- 毎日野菜を5種類食べる。
- 18時以降は甘い物は食べない。
- 1日1万歩歩く。
- 22時以降はテレビを消す。
など、健康3要素を改善するために役立つ行動を目につくところに書いて貼っておき、自分に刷り込むようにしましょう。
あるいは前述のようにポジティブ・レインフォースメントのフレーズを書くのもよいでしょう。
- あと2キロやせればあの白いレースのワンピースが着れる。
- 野菜を毎日3種類食べることでスリムな体になる。
- 7時間寝ることで疲れがとれる。
などのフレーズを書いて貼っておくことで、つい以前の行動習慣に戻りそうになる自分を抑えることができます。
リワード・システム(Reward System)
リワードとは報酬、ご褒美です。
健康3要素を改善するための行動を実行できたら、スケジュール帳にシールなどを貼って記録します。
夏休みのラジオ体操にいくとカードにはんこを押してもらって全部はんこが押されたらちょっとしたご褒美をもらえるという経験がありますでしょうか?
自分が特定の行動を達成したかどうかを記録して、一定期間できたら自分にご褒美を与えるというリワード・システムを使ってみましょう。
健康3要素関連で改めたい行動をリストアップし、表にして達成した行動には〇をつけていくという方式もあります。
自分がその行動を達成したかどうかがはっきり視覚化されます。
〇が続いていけば、よし、せっかく7日連続で頑張ったから、今日も頑張ろうと自分を励ますこともできます。
1週間、あるいは1ヵ月など、一定の期間、連続して改善行動を行うことができたら、自分にご褒美を与えましょう。ご褒美の例は以下のような物事です。
- 1週間できたら500円の貯金をする。ある程度の貯金が貯まったら好きな物を買ってよいとする。
- 1ヵ月続けられたら、1回外食して好きな物を食べてよい。
- 1ヵ月続けられたら、服や靴など、好きな物を一品買ってよい。
大きなご褒美である必要はないのですが、自分が決めた事をきちんと実行し、継続できたということをしっかり認識し、自分をほめて励ますために、できた行動にはきちんとリワードを与えましょう。
※Yale University「Health behavior change: From evidence to action」の講義を参考にしています。