レジリエンスを培う重要な要素である健康。健康とは食事、運動、睡眠の3要素から成り立ちます。健康3要素を整えるためにポジティブ心理学を応用してみましょう。
プレマックの原理
「〇〇した方が健康によい」とわかっていても、なかなかやる気が出ない時がありますよね。
- 毎日30分ウォーキングをすると決めたのに何となくやる気が出ない。
- スクワットをしようと思ったのについ面倒になってやらない。
こういう場合にはプレマックの原理を使ってみましょう。
プレマックの原理とは、心理学者のデイヴィッド・プレマック氏が提唱した原理です。自分が好きな行動と、すべきだと思うけれども自分があまりしたくない行動を組み合わせて、実行の確率を高める事です。
例えば、30分ウォーキングしようとしたのにやる気が出ない場合、30分ウォーキングと、自分が好きな本屋まで行く事を組み合わせます。ウォーキングするついでに本屋に立ち寄り、好きな本を探してみたり、最近人気のある本を調べてみたりします。「自分の好きな行動=本屋に行く」と「すべきと思うけれど自分があまりしたくない行動=30分ウォーキングする」を組み合わせるわけです。
あるいはスクワットをしている時は、好きなドラマを見てよいとします。「自分の好きな行動=ドラマを見る」と「すべきと思うけれど自分があまりしたくない行動=スクワットをする」を組み合わせるわけです。
好きな行動は頻繁に、かつ自発的に行う可能性が高いですから、好きな行動を取る時に「すべき行動」を組み合わせることで、「すべき行動」を達成する確率が上がります。
アンレス・ルール
Unless(アンレス)は英語で「~しない限り、~しない」という意味です。
- 30分ウォーキングしない限り、珈琲を飲まない。
- スクワットをしない限り、ワインを飲まない。
このように、自分の好きな行動(珈琲やワインを飲む)を、「すべき行動」を実践した時のご褒美(リワード)に設定します。
逆にいえば、そのリワードが欲しいならば「すべき行動」をしなくてはいけないというルール作りです。
あまり多くの細かいアンレス・ルールを作ると自分の生活ががんじがらめになってしまいますから、2~3個のルールにしておきましょう。
「すべき行動」をきちんと実行したらリワードが与えられると脳に刻み込むのです。
プレマックの原理やアンレス・ルールは繰り返していくことによって、新しい、そして健康によい習慣を築いていきます。そして「すべき行動」を実行できるようになると、「自分はできる」という自己肯定感も高まります。
※Yale University「Health behavior change: From evidence to action」の講義を参考にしています。