ポジティブ心理学が生まれる前から、ポジティブ心理学の真髄を表す先人達の名言があります。そして、ポジティブ心理学の研究が盛んになっている現代においても、ポジティブ心理学の提唱する「ポジティブな感情によって、逆境を乗り越え、挑戦を続けて人生に充実感を感じられる」事を象徴する名言があります。
ヴィクトール・エミール・フランクルは、オーストリアの心理学者、精神科医であり、ホロコーストを生き抜き『夜と霧』という名著を書いた人です。彼がホロコーストで体験した事は想像を絶するものです。しかし、彼は生き抜き、自分の辛い経験を次世代の人達を助ける糧とすべく活躍した人です。
What man actually need is the striving and struggling for a worthwhile goal, a freely chosen task.
人間が本当に必要なのは、自由意志で選んだ意義のある目的のために努力し奮闘する事である。
自分が選んだ一目的に向かって、たとえ困難があったとしても乗り越えようと努力し、闘うことこそ、人間にとって重要であるとフランクスは述べています。
現在ハーバード大学等でハピネス(幸福)はどのように構成されるかの研究が活発に行われていますが、ハーバード大学のアーサー・ブルックス氏によると
Happiness =Enjoyment + Satisfaction + Meaning
ハピネス=愉しみ+満足感+生きる意義
であると提唱されています。
Meaning、生きる意義とは、つまり生きる目的のことです。
目的を達成するためには苦しい事も辛い事も、多くの障害もあることでしょうが、それらにチャレンジして乗り越えて、目的に近づいていく事こそ、Meaning、生きる意義なのです。
簡単に、安直に目的が達成されれば幸せなわけではありません。自分が選んだ目的に自分の能力を使って近づいていく過程こそ、幸せを感じる状態なのです。
一生涯をかけて追求していきたい目的。ライフワークといえる対象。フランクルのいうa worthwhile goalを見つける事が、人生で幸福感を感じる上では大変重要なのです。
人生の目的を探す方法については「ライフゴールを探すワーク」シリーズで紹介していますので、参考にしてみて下さい。