ハーバード大学で人間が人生に幸福感を感じるにはどうしたらよいのかを研究している社会科学者アーサー・ブルックス氏は、幸福感を構成する要素は一つではなく複数であり、4つのカテゴリーに分けられると提唱しています。
幸福感の拠り所が1つだけよりは、複数に分かれていた方が、感情のバランスが取りやすいですし、仕事や学校で1回失敗したからといってすべてがダメだ~!と思わなくてすみます。
ブルックス氏は幸福感を構成する複数の要素の組み合わせを「ハピネス・ポートフォリオ」と呼んでいます。
- Life Philosophy:人生の哲学。自分の価値観。何を大切に思うか。
- Family:家族あるいは親族。自分が属する世帯。
- Meaning of work:仕事の意味。自分にとって仕事が持つ意味は何か。(学生の場合は勉強や学校)
- Friendship/Community:友情やコミュニティ。家族以外の交流。
ハピネス・ポートフォリオを構成する要素として、この4つのカテゴリーを挙げています。
この4つのカテゴリー以外にも幸福感を感じる要素はあるかもしれませんが、まずはブルックス氏の提唱する4つのカテゴリーに沿って考えてみましょう。
まず、注目したい点は、仕事はハピネス・ポートフォリオの一部、4分の1であるということです。仕事がうまくいかなくても、他の要素が充実していれば、あなたは十分幸福感を感じることができます。仕事で失敗した、職場の人間関係が嫌だと思っても、世界の終わりではないのです。
それは学校や勉強が「仕事」の代わりになる学生にとっても同じです。
職場で嫌な事があっても、家族や友人に恵まれている人は、十分幸福感を感じることができますし、嫌な出来事に対し抵抗力があります。
次に、この4つのカテゴリーそれぞれにについて、自分はどれくらい現在幸福感を感じているかを考えてみましょう。幸福感は充実感や感謝の気持ちとも言い換えられます。
自分にとって仕事ばかりが重要で、他の要素が疎かになっているようであれば、ゴールデンウィークのような長めの休暇が取れる時に、他の要素が自分の幸福感の元になるようにできないか、じっくり考えてみましょう。
仕事以外の要素がずいぶん疎かになっているなあと思ったら、この機会に、家族や友情、あるいは趣味のコミュニティで過ごす時間や割くエネルギーを増やしてみましょう。
そして、人生哲学。自分の価値観。これについて、休日を利用して、じっくり考えてみましょう。自分の価値観と仕事が結びついている人は、仕事に困難な状況が生まれてもちょっとやそっとでは諦めません。問題に立ち向かっていきます。問題を乗り越える挑戦をすることに充実感を感じます。
自分の価値観がしっかりしている人は強いのです。
しかし、価値観は何か?と言われても、今まで考えてこなかった場合は、急にはわらかないですよね。次回は自分の価値観をはっきりさせるためのワークを紹介します。
- 自分のハピネス・ポートフォリオがどうなっているか書いてみましょう。
- 偏りや不足があれば、4つのカテゴリーが同量になるよう、休暇中に出来る事を考えてみましょう。