オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

セリグマン教授からのアドバイス➁ レジリエンスを培うためにオプティミズムを身に付けよう。

ポジティブ心理学を確立したペンシルバニア大学のマーティン・セリグマン教授が、イェール大学でウェルビーイングの研究をするローリー・サントス博士のポッドキャスト「The Happiness Lab」に登場し、「人間はどうすれば充実感や幸福感を得ることが出来るか」という対談を行いました。そのポイント第二弾です。

セリグマン教授は、「Resilienceレジリエンス」が人間のウェル・ビーイング、つまり充実感を持って人生を送る事のキーになると話しています。

レジリエンスは日本語では「回復力」と訳されることが多いですが、セリグマン教授にとってレジリエンスは「coming back from bad event and growth」(不幸な出来事から立ち直りそこから成長する力)だと説明しています。

Post Traumatic Growth(PTG)(心的外傷後成長)という心理学用語がありますが、セリグマン教授はレジリエンスはPTGに近いと言います。不幸や障害に直面して打ちのめされても、そこから這い上がり、回復して、その出来事が起こる以前よりも強くなり成長を遂げる。中にはその出来事を経験する事で人生を生きる意味を見出す。これがPTGですが、レジリエンスは大小のPTGであると説明しています。

セリグマン教授はアメリカの軍隊に呼ばれ、イラク戦争に従軍した兵士たちの精神的肉体的ダメージをどう回復していったらよいのかというプログラムを、ポジティブ心理学を活用して作り上げていきました。その調査の過程で、セリグマン教授は兵士達のレジリエンス、PTGを数多く確認したそうです。一方、中には問題を克服できず、薬や暴力、自暴自棄に陥ってしまう兵士達も一部存在していました。

恐ろしい経験を経ても、回復してより強くなる兵士と、そのまま悲劇に埋もれて自暴自棄になってしまう兵士と、どこに違いがあるのだろうか?という点をセリグマン教授は研究しました。つまり、レジリエンス力の強弱の違いを生み出すものは何か?という検証です。

セリグマン教授は「オプティミズム」が重要な役割を担っていることを見出しました。

Optimismオプティミズムを訳すと楽観主義になりますが、これは「すべてうまくいくさ」と能天気に思っている事ではありません。「物事はよりよく変えていける。そのために自分が何かできる事がある」と信じる心持です。現実的楽観主義が一番近いでしょう。

そして、セリグマン教授は、生まれつき楽観的か、悲観的か、あるいは環境が楽観的なものだったか、悲観的なものだったか、という点に関係なく、オプティミズムは後から学習して身に付けることができると提唱しています。私達はこれから現実的楽観主義になる方法を学び身に付けることが可能なのです。過去がダメだったからといって、諦めなくてもよいのです。

この点については「ポジティブに生きたくなる名言集⑦ マーティン・セリグマン 「楽観主義は学習することができる」」で詳しく説明していますので、参考にしてみて下さい。

ポジティブに生きたくなる名言集⑦ マーティン・セリグマン 「楽観主義は学習することができる」ポジティブに生きたくなる名言...

また、楽観主義の学習方法については「レジリエンスを使って自分を変えていく方法➁ 現実的な楽観主義を持つことが重要です」「レジリエンスを使って自分を変えていく方法➂ ABCを練習して自分のBを探っていきましょう。」を参考にしてみて下さい。

レジリエンスを使って自分を変えていく方法➁ 現実的な楽観主義を持つことが重要です。レジリエンス ...
レジリエンスを使って自分を変えていく方法➂ ABCを練習して自分のBを探っていきましょう。レジリエンス...

セリグマン教授は80歳にして共著で「Tomorrow Mind」という新著を出版したばかりです。コロナウィルス感染拡大の頃はさすがのセリグマン教授も大分悲観主義に傾いたらしいですが、そこから回復して、学んだことを活かし、変わりゆく社会でどのように自己を繁栄させていくかについて新しい本に書いたそうです。アフター・コロナ、デジタル革命、世界のあちこちで起きている紛争、戦争。そのような世界で私達はどのように生き、自分の役割を見出し、人生を充実させることができるかについて考察した本ということで、私も読むのが楽しみです。

「Tomorrow Mind」については読了後、内容を紹介したいと思います。

※Laurie Santosの The Happiness Lab 「The man who invented happiness science: Marty Seligman」を参考にしています。

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