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チェンジを起こすためのワーク⑪ 対アンサーティンティ戦略その2 :アップフロント・コストを最小限にする

「チェンジを起こすためのワーク① 変化を妨げる要因 REDUCEを知る。」で説明したように、人間が変化や新しい挑戦を受け入れるためには、変化に対する障害REDUCEを減らす、あるいはなくす事が有効です。

チェンジを起こすためのワーク① 変化を妨げる要因 REDUCEを知る。ポジティブ心理学...

REDUCEのUはUncertaintyアンサーティンティ。不透明感。現在の状態から変化する事に対すくリスク、不確実性です。
変化にはスイッチング・コストが付きまといます。変化するによる苦労やエネルギーは今すぐ必要とされるので、私達はコストの方に意識が向きます。そしてこんなコストを払ってまで変化する必要はないだろうと、変化を避けがちです。コストとはお金だけではありません。要する時間やエネルギーも含みます。
新しい挑戦や変化を受け入れるためには、最初に追わなければならないコストをなるべく減らしてあげる事で、新しい行動を取りやすくなります。

Shoesite.comの成功

靴のオンライン・ショッピング・サイトを世界で初めてビジネスとしてスタートしたのはShoesite.comで1999年のことでした(今ではZapposになっています)。この時、靴をオンラインで買うなどという発想が人々にはまだありませんでした。靴は店にいって実際に履いてみて購入する事がスタンダードでした。サイトで買ったからといって値段が安いわけでもありません。
そこで Shoesite.comでは、店に行く時間と交通費を節約できます、自分に合うサイズを探して多くの店を探し回る手間を省けますよとアピールしました。時間、交通費というお金、エネルギーをなしにできますよとユーザーに訴えたのです。
同じ靴を買うという行為であっても、サイトを使えば時間、お金、エネルギー(手間ともいえます)を節約できる。サイトで靴を買うという行動を始めるのに、アップフロント・コストはかからず(自分のメールアドレスを登録するくらいの手間はかかるかもしれませんが)、新しい行動を始めやすい環境が整えられたわけです。このビジネスは大成功しました。

ジムに通おうとしてなかなか行く気にならない

変化を受け入れるために最初にかかるアップフロント・コストをなくす方法は、私達にも活用できます。

Aさんは最近体重増加と共にウェスト周りが太くなってきました。運動不足を解消するためにジムに通って体を鍛えようと考えています。しかし、ジムに通うには1ヵ月5000円ほどのお金がかかります。また、家からジムまで歩くと20分かかります。また週末しかジムに通う時間はありませんが、週末は疲れていてジムに通うエネルギーが沸いてきません。運動不足解消のためにジムに通うという新しい行動は、お金も時間もエネルギーもかかるのです。高いアップフロント・コストがかかります。

そこで、運動不足解消のために、お金も時間もあまりかからず、エネルギーも最小限で済む行動から始めてみましょう。家でテレビを見ながらでよいので一日30回スクワットをする。YouTubeでダンス動画を見ながら一日15分体を動かしてみる。週末買い物に出かける時に、遠回りして30分ウォーキングするようにする。なるべく行動に取り掛かるまでにかかるコストを最小限にして、スタートしやすいようにします。
始めやすい行動からとりかかり、変化に慣れていきましょう。
そのうち、体形や体重に変化が出てきたら、ジムに行こうという気力も沸いてくるかもしれません。

時間、お金、エネルギー(手間)を最小限にして、新しい行動を起こしてみましょう。

※University of Pennsylvania,Jonah Berger「Removing barrier to change」の講義を参考にしています。

 

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