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ポジティブ心理学実践ワーク
仕事に前向きになる方法

STD:モチベーションアップの方法⑥ 部下の「有能さ」をサポートして外発的モチベーションのクオリティをアップするには。

「外発的モチベーション」を「内発的モチベーション」に近づかせ、継続性のあるハイクオリティのモチベーションを持つために、「内発的モチベーション」を培う3つの要素「自律性」「有能さ」「関係性」を、「外発的モチベーション」の中に取り入れていきましょう。

そのためには職場における同僚、上司の行動、言動は大変重要になります。「自律性」「有能さ」「関係性」の3要素を同僚や部下に経験してもらうようサポートをする事により、彼らのモチベーションはやらされ感のある「外発的モチベ―ション」から、自ら積極的に仕事に関わろうとする「内発的モチベーション」に近くなっていきます。

前回は「自律性」のサポートについて説明しました。今回は「有能さ」のサポートについて例を挙げて説明していきましょう。

「有能さ」をサポートする

①ちょっとだけ背伸びが必要なタスクを部下に与える

同じ内容の仕事をミスなく遂行する事は重要ですが、部下が新しいスキルや知識を伸ばせるよう、ちょっと難しい仕事、新しい要素を含んだ仕事を、部下に与えるようにしましょう。難しい仕事を克服してやり遂げた時に、また挑戦してみようというモチベーションが沸きます。
上司に指示された仕事であっても、自分が困難さを克服してやり遂げたという満足感によって、仕事を通じて自分の能力を高められる、自分は新しい挑戦ができるという自己肯定感を感じ、仕事に対する向き合い方が受動的から能動的になってきます。

例えば英語が苦手な部下に、あえて英語でプレゼンテーションを外国人の上司に向けてしてもらいます。英語でプレゼンする事は簡単ではないですが、十分な準備と、話す内容をあらかじめメモに書き出しておけば、英語が苦手な人でも可能です。

➁フィードバックは比較ではなく、努力を評価する

部下が能力やスキルを伸ばしていく気になるには、部下が新しい、あるいは難しい挑戦をした時に、適切なフィードバックを返す事が重要です。

適切なフィードバックとは、他のメンバーとの比較ではなく、その人の行った努力を評価し、能力を伸ばすために役立つ情報を提供する事です。

例えば英語でプレゼンテーションを行う挑戦をした部下に対し、英語はたどたどしく、意味が上手く伝わらない部分があったとしても、まず、初めて英語でのプレゼンテーションを行った勇気と、時間をかけて準備した努力を賞賛しましょう。英語が上手かったか否かを評価するのではなく、その人が尽くした努力についてフィードバックを返しましょう。
そして、更に英語力を磨くために、どのように勉強したらよいか、説得力を増すためにどのようなフレーズを使ったらよいのか等、部下のスキルアップに役立つような情報を提供しましょう。部下が次も挑戦してみよう、英語など新しいスキルを身に付けようというやる気を持てるよう、フィードバックを行いましょう。

新しいスキルなしには生き残れない社会が来る

同じ内容の仕事を同じように遂行するだけでは、その仕事がなくなってしまった時、仕事を失うリスクがあります。また、同じスキルしか持っていなかったら、新しい業界の環境に対応できなくなり、仕事を失うリスクがあります。

マッキンゼーという世界的なコンサルティング会社の予想によれば、2030年までにはテクノロジーの発展により、職業の80%は機械にとって代わられるか、賃金減少になると予想されています。マッキンゼーの予想では、2030年までに、すべての仕事をする人が、新しいスキルが必要となり、複雑化した機械を使って仕事をする事が求められると予想しています。すべての労働者が、何等かの変化(仕事を失うという事も含めて)や新しいスキルを身に付ける必要に遭遇するということなのです。

「有能さ」を身に付けようと部下のモチベーションを刺激する事は、部下の職場でのポジションや将来の仕事の場を守る事にも繋がるのです。

※University of Rochester, Richard Ryanによる「Introduction to Self Determination Theory」の講義を参考にしています。

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