モチベーションを培うために重要な3つの要素、「自律性」「有能さ」「関係性」。
この3つの要素を支える基盤はバイタリティです。バイタリティとは自分のために使えるエネルギー。日本語では「やる気」が一番近い言葉でしょう。バイタリティは特に「自律性」にとって重要になります。
バイタリティを養うためには、睡眠や食生活、適度な運動などの生活の基本要素をと整える事が重要ですが、職場における自分のバイタリティを増やすためにすぐできる方法があります。
ライアン博士やそのグループの調査によると、外の空間や、自然の中にいると、バイタリティは増えるそうです。仕事の種類によっては公園などで仕事ができる場合もあるでしょうが、多くの職業においてはなかなか業務時間中に自由に自然の中に出かけていく事は難しいでしょう。そこで、簡単に、外の空気や自然を感じられる工夫をしてみましょう。
時々は外オフィスにする
仕事はオフィスでする事が基本かもしれませんが、可能ならば、時々緑に囲まれたテラスや外のカフェで仕事をすると、バイタリティを増やす事に有効です。
窓の傍のデスクで仕事をする
状況が許せば窓に近いデスクを使うと、窓を通して自然を楽しむことができます。最近はリモートワークを導入する企業が増えてきて、家で仕事をする機会が増えています。家で仕事をする場合、窓の傍に仕事場をセットしてみましょう。窓から見える空、木々、行き交う鳥たち。そのような自然を目にするだけで、人間の気持ちは高揚していきます。
デスクにグリーンを置く
オフィスにはよく観葉植物のようなグリーンが置かれています。これも、自然をオフィスの中に持ち込む事により、人間の感情を和ませる効果があります。状況が許せば、オフィスの自分のデスクの上に、小さなグリーンを置いてみましょう。ミニ盆栽でもよいですし、アイビーのような日光が少なくてもよく育つ観葉植物でもよいでしょう。
職場の仲間とプチ修学旅行をする
学生の頃修学旅行がありましたが、職場の仲間とプチ修学旅行を企画してみましょう。仕事と関連のある場所を、同僚達と訪問する機会を作ってみましょう。例えば、金融の会社に勤めているなら、部の仲間と日本銀行や東京証券取引所を見に行くプチツアーを企画してみましょう。
いつもオフィスで仕事をするだけでなく、仕事に関連のある場所を訪ねる事によって、新しい発見やアイディアが出てくるかもしれません。同僚の意見も、いつもと違った視点の内容が聞けるかもしれません。それがお互いの刺激になるでしょう。
バイタリティはエネルギーですから、バイタリティが増える事によって、「あれをしてみようか」「これをしてみたい」という自発的な意欲に繋がり、それが「自律性」を誘発し、モチベーションをアップする助けになります。
※University of Rochester, Richard Ryanによる「Introduction to Self Determination Theory」の講義を参考にしています。