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ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

Tomorrowmindで変化の時代を生き抜く⑩ 仕事に意義を見出すためにミッション・ステイトメントを共有しよう

ポジティブ心理学の第一人者であるペンシルバニア大学のマーティン・セリグマン教授と、職場でのウェル・ビーイングな働き方を研究しているBetterUpLabのガブリエラ・ローゼン・ケラーマン博士が共著で2023年1月に出版した本『Tomorrow Mind: Thrive at Work with Resilience, Creativity and Connection』。訳すと「トゥモローマインド:レジリエンス、クリエイティビティ、コネクションで仕事を通じて充実して生きる」ということになります。
Tomorrowmindを構築する5つの要素PRISM

Prospection (P): 見通しを持つ。人間は悪い未来を想像する事が得意ですので、何が起きても備えられるように未来を予想し、計画する能力。
Resilience (R):レジリエンス。回復力。変化や不運から回復し、更に強くなる能力。
Innovation and creativity (I): 革新と創造。問題に対して、新しい、驚くような、そして役に立つ解決方法を見つける能力。
Social support, by way of rapid rapport (S): サポート。違いや地理的距離を超えて人間関係や信頼を素早く構築できる能力。
Mattering and meaning (M): 変化を経ても仕事をするモチベーションを燃やし続ける能力。

R:レジリエンスの次は、M:仕事に意義や意味を見出すモチベーションを燃やし続ける能力について説明していきましょう。

この本の中で、アメリカでの調査ですが、様々な職種、業種の2000人の働く人に対して2018年に行われた調査結果が書かれています。それによると、今の仕事に意義・意味を持っていると答えた人は49%。約半分の人が仕事に意義をもっていると感じていました。

仕事に意義や意味があると感じると、その仕事について最低限要求されている基準以上のクオリティや量を追求しようというモチベーションができます。指示された事、決められた事だけをこなすだけではなく、それ以上の内容の仕事をしようというやる気が出てきます。それは、お金や社会的地位を得るという理由の他に、その仕事をする意味を作り出します。

前述したアメリカにおける調査では、何が仕事を意義があるものとしているか?というアンケートも行いました。結果として、2つの要因が、仕事を意義あるものにしていることがわかりました。

①一人ではなく仲間と助け合いながら働いている。

職場でサポートを受けていると感じる人は、そうでない人よりも47%仕事に意義を感じる割合が多かったのです。

➁仕事の価値観や目的がリーダーと一致している。

会社の経営方針やチームの共有している価値観に共鳴している人は、そうでない人よりも33%仕事に対する満足感が高かったのです。特に役員や経営陣などのシニアリーダーの価値観や方針に共鳴している人は、その職場において満足感を感じる事が、そうでない人よりも46%多かったのです。

職場を率いるリーダーの役割、そしてどのように共鳴や共感を同僚や部下から引き出すかが、働く人達のモチベーションをアップさせる事に重要な役割を果たすわけです。

ミッション・ステイトメントを作ろう。

そこで、リーダーがすぐできる方法があります。
それがミッション・ステイトメントを作り、職場で共有する事です。マニフェストあるいは理念ともいえます。

どのような経営目的で、どのような価値観でこの職場は働くのか、何を目指していて、社会に対してどのように関わっていくのかにつき、文章化して職場の仲間と共有します。
同じミッションをみんなで共有し、達成に向けて一緒に向かっていくという、共同体としての方向性を指し示すのです。
ミッション・ステイトメントは紙に書いてオフィスに貼ってもよいですし、仲間にメールしてもよいですし、名刺大のカードに文字を印刷して仲間に配ってもよいでしょう。

ローソンは「私たちは”みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」をミッションに掲げています。
アマゾンは「お客様がオンラインで求めるあらゆるものを探して発掘し、出来る限り低価格でご提供するよう努めること」をミッションに掲げています。

部やチーム単位で掲げるミッションとしては、「お客様の笑顔が見れるサービスを追求する」「問題が起きたらどうしようと悩むのではなく、どうしたら解決できるかを考えるチームになる」など、もう少し具体的なミッション・ステイトメントを作るとよいと思います。

同じミッションを共有している職場仲間という認識ができれば、お互いサポートしながら働いているという理解を仲間が持つことになり、モチベーションをアップさせ、それが仕事に意義や意味を見出すことになります。

※Martin Seligman, Gabriella Rosen Kellerman『TomorrowMind: Thrive at Work with Resilience, Creativity and Connection』を参考にしています。

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