オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

Tomorrowmindで変化の時代を生き抜く⑫ MeaningとMattering

ポジティブ心理学の第一人者であるペンシルバニア大学のマーティン・セリグマン教授と、職場でのウェル・ビーイングな働き方を研究しているBetterUpLabのガブリエラ・ローゼン・ケラーマン博士が共著で2023年1月に出版した本『Tomorrow Mind: Thrive at Work with Resilience, Creativity and Connection』。訳すと「トゥモローマインド:レジリエンス、クリエイティビティ、コネクションで仕事を通じて充実して生きる」ということになります。
Tomorrowmindを構築する5つの要素PRISMMはMeaningあるいはMatteringで、仕事に意義や意味を見出すモチベーションを燃やし続ける能力です。

Tomorrowmindで変化の時代を生き抜く➁ PRISMでTomorrowmindを身に付けるtomorrowmind...

前回、仕事にMeaning意義を感じるのはどういう状況かについて、この本の中で紹介されたアメリカとニュージーランドの調査結果を説明しました。

Tomorrowmindで変化の時代を生き抜く⑪ 仕事に意義を見出す7つのトリガーTomorrowmind...

しかし、仕事に意義を見出す事は、かなり抽象的で漠然としていると感じる人もいるかもしれません。「意義がある」の意味も、人によってまちまちです。また、「意義深い仕事」あるいは「仕事に意義が感じられる」事は、今すぐには難しい場合もあるでしょう。ある程度時間をかけて「意義」は追求していくものだと思います。

一方、Matteringは「大事なこと」「関わりのある事」という意味で、Meaning意義の中に含まれるといえますが、仕事においてはMatteringの方がより具体的に考えられると思います。仕事においてすぐにMeaning意義を見出す事が難しいならば、あるいは「仕事に意義を見出す」事が漠然としすぎてよくわからない場合、まず、Matteringを考えてみるといいでしょう。

仕事におけるMatteringは

  1. 働く当人にとって何が大事か
  2. 働いている企業(職場)がどのような影響を社会に与えるか

という2つの軸の「関心」になります。
職種や仕事内容や地位・役職が変わっても、この2つの軸は働く私達の心の羅針盤のようなものです。心にしっかりとした羅針盤があると、仕事、自分、職場の人達、社会との関わりが大切なものになり、どのように大切にしたいかを探求していくようになります。そうなると、仕事に「意義」を見出していくようになります。

例えば、市役所の受付で働らくAさんの例で考えてみましょう。

①働く当人にとって何が大事か

Aさんにとって、人の役に立つ事が大事だと思っています。市役所の受付の仕事をしていく上で、人の役に立つために「市役所に来る人達を温かく迎える」ことが大事だと思っています。市役所の受付で質問をする人は多くの場合、どの窓口を訪ねたらよいのかわからずとまどっています。そういう人達を不安にさせることなく、親切に応じて、的確な窓口に案内する。時には「ありがとう」「助かったよ」と言われることもあります。そういう時は自分の仕事が人の役に立っていると感じ、嬉しくなります。

➁働いている企業(職場)がどのような影響を社会に与えるか

Aさんが働いている市役所は、地域の人達の生活にとって必須の機関です。市役所がなければ地域住民の生活は滞ります。Aさんはその市役所の一員として、地域住民の行政遂行に関係していると考えています。受付に座る自分は、まず初めに訪問してくる住民達と接する立場です。市役所の顔として、住民達に親切に、温かく接することを目指しています。

Aさんにとっては市役所の受付の仕事はMattering、自分が大切だと思う事と繋がっており、それがAさんが仕事をするモチベーションになります。

仕事に意義を見出す事が難しい場合、あるいはよくわからない場合は、まずMattering、自分にとって大事だと思う事は何かを考えてみましょう。

※Martin Seligman, Gabriella Rosen Kellerman『TomorrowMind: Thrive at Work with Resilience, Creativity and Connection』を参考にしています。

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