オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

ネガティビティ・ジャーナルを書く

ハーバード・ビジネススクールの教授で、社会科学者であり、どうしたら人が幸福に生きられるか?の研究をしているアーサー・C・ブルックス氏がアメリカの超有名司会者オプラ・ウィンフリーと共著で『Build the life you want』という本を出版しアメリカで話題になっています。そのブルックス氏が、イエール大学のウェルビーイングの人気講座のローリー・サントス教授のポッドキャスト「The Happiness Lab」に登場し、この本のエッセンスについて語っています。その中でユニークなアイディアがあったので紹介したいと思います。

それは「ネガティブな出来事を記録すること」。ブルックス氏はこれを「ネガティビティ・ジャーナル」と呼んでいます。
ポジティブな出来事や感謝を記録するポジティビティ・ジャーナルは、ポジティブ心理学でも強く勧めているアクションですが、その逆のネガティビティを記録するとはどういう事なのか?ネガティブな出来事なんて早く忘れたいのに・・・と一瞬思いますよね。
「ネガティビティ・ジャーナル」とは3つの段落のセットになっていて

  1. ネガティブな出来事をノートに書く。
  2. その下に、1ヵ月後にその出来事から何を学んだかを書く。
  3. 更にその下に、6カ月後にその出来事をきっかけに起こったポジティブな出来事、感情を書く。

この3つのセットを記録していきます。

その時はものすごく嫌な出来事だと思ったことも、時間が経つにつれていい方向に物事が転換するきっかけになっていたり、その出来事から学ぶことでよりよい選択ができるようになったりしています。
それを記録していくのです。

再びネガティブな出来事が起こっても、このネガティビティ・ジャーナルの記録を読み返すことで、ネガティブな出来事も時間が経過するとポジティブな出来事への転換点になるかもしれないと考えることが出来ます。

例えば、Aさんが仕事の書類でミスをして上司から叱責され、ひどく落ち込んで自己嫌悪に陥り、きつい言葉を口にした上司を恨む気持ちになったとします。

このケースでネガティビティ・ジャーナルを書くと次のようになるでしょう。

  1. ネガティブな出来事:仕事の書類でミスをして落ち込む。自己嫌悪。上司にきつく叱られ、上司を恨む。
  2. 1ヵ月後に何を学んだか:上司から指摘された点を修正して書類を出し直した。ミスは自分が確認を怠ったからだった。確かにあの時の上司の叱責は的を得ていた。次から書類を提出する前にもう一度読み返そう。
  3. 6か月後に起きたポジティブな出来事、感情:あれから書類のミスは一回もしていない。ミスがなくなったことを上司が褒めてくれた。あの出来事をきっかけに自分でも注意深くなったと思う。上司がきついと恨んだけれど、あの時きつく叱られていなければ、私は同じようなミスを繰り返していたかもしれない。そういう意味では、あの時叱ってくれた上司に感謝すべきだ。

Aさんのように、6カ月後、ネガティブな出来事を、「そのおかげで~できた」「それがきっかけで~に感謝する」と認識できれば、ネガティビティ・ジャーナルは、ポジティビティへの転換ジャーナルになります。

ブルックス氏は、ハピネスやポジティビティを感じるためには、ネガティブな出来事も必要なのだと説いているのです。ネガティブな出来事があるからこそ、ポジティブな出来事で幸せを感じられると。
これについては賛否両論あるところですが、「ネガティビティ・ジャーナル」はネガティブな出来事をネガティブなままで終わらせないグッドアイディアだと思います。

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