オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ストレスマネジメント

ストレス・マネジメント④ コンセプト・マップを書く

前回、私達はストレスだと思っても、ストレスの原因を正確に理解していない事が多く、それがストレスの元になっている場合があると説明しました。

そのような状態を打破するためには、コンセプト・マップを書いてみる事が有効です。

  1. 白い紙に自分の関心事(気になって悩んでいる事)を書き出す。これがコンセプト・マップ。関心事ごとにポストイットに書き出していってもよい。
  2. それぞれの関心事につき、もし一つだけ何かを変えることができるとしたら、何を変えるか?について自分の考えを書いていく。
  3. コンセプト・マップを眺め、自分にとって一番優先度が高い関心事を一つ選び、変化を実践する。
  4. 一つ実践したら、次に優先度の高さの順に、一度に一つずつ変化を実践していく。

例えば、Aさんはコンセプト・マップに以下のような悩み事を書いたとします。

  1. 残業が多くて家族に料理を作ってあげられない。いつも出来合いの物ばかり。
  2. 子供に早くしなさいといつも急かしてしまう。
  3. 上司は私に仕事を頼んで自分は早く帰って飲み会に行くので不信感を感じる。
  4. 昇進に必要な資格に合格しないといけないのに時間がなくて全然勉強できない。

次に、それぞれにつき一つだけ自分が変えられる事を考えて書き加えていきます。

  1. 残業が多くて家族に料理を作ってあげられない。いつも出来合いの物ばかり。
    →週末におかずを作り置きして平日は電子レンジで温めればすぐ食べられるようにする。
  2. 子供に早くしなさいといつも急かしてしまう。
    →子供と一日の時間割について話し合って決める。
  3. 上司は私に仕事を頼んで自分は早く帰って飲み会に行くので不信感を感じる。
    →自分は飲み会に行きたいわけではないから、別に気にしないことにする。仕事に集中して早く終わらせた方がよい。
  4. 昇進に必要な資格に合格しないといけないのに時間がなくて全然勉強できない。
    →テレビやスマホを見て何となく過ごしている時間がある。その時間を洗い出して、勉強の時間に変える。

上記の中でAさんにとって一番優先度が高い関心事は➁の「子供に早くしなさいといつも急かしてしまうこと」なので、さっそくこの週末に子供と一日の時間割について話し合い、画用紙に子供と決めた時間割を書いて、キッチンに貼ることにします。

また、書き出してみると➂の「上司が自分に仕事を頼んで早く帰る」事は、ムカッとくるかもしれませんが、自分が飲み会に行きたいわけではないし、上司にずっと仕事が終わるまで付き添っていてもらいたいわけでもありませんし、仕事を依頼されるのは信頼されているからだと思うので、実は大して悩むことでもないと気づきます。

このようにストレスの元になっている状況をコンセプト・マップに書き出して、一つだけ自分が変えられることを変える行動を実践していくと、混乱した心の状態がほぐれていきます。
ストレスは、複数の悩みや問題がごちゃごちゃになって絡まり黒い塊のようになって大きく感じることから、引き起こされる場合も多いのです。その絡まり合った黒い塊を解きほぐすためにコンセプト・マップは有効なツールです。

※University of Arisona の「Resilience for everyone」の講義を参考にしています。

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