私達がストレスを感じる原因の一つとして、自分と他人の境界線が曖昧で、自分が安全だと感じる領域を築けていないことがあります。バウンダリー問題です。
自分と自分以外の境界線をしっかり守ることが重要ですが、守りすぎると他の人とのコミュニケーションが取りにくくなる、親密は関係を築けなくなる、困った時に助けを求められなくなるというデメリットもあります。
一方、境界線を意識せず、他の人と自分が一体化しているように感じる場合では、他の人の問題に取り込まれてしまったり、他の人の意見に振り回されたり、嫌な場合でもノーといえなくなります。
ちょうどよい距離感の境界線を他の人との間に築き、自分という存在を守る境界線を作るためには以下のような点を意識しましょう。
- 他の人ではなく、自分の価値観に基づいて行動を決める。
- 他の人の価値観に、自分の価値観を無理に合わせようとしない。
- 自分についての情報は他の人に出し過ぎない。適度な量で情報をシェアする。これ以上は他の人に踏み込んでほしくないという境界線をはっきり示す。
- 他の人ではなく、自分が何を欲していて、何を必要としているかをはっきりさせる。
- 他の人がノーと言った時は、それを受け入れる。自分と同じように、他の人にもそれぞれ境界線がある。
自分の境界線がしっかり築けていると感じることができれば、他の人の言動が原因のストレスを減らすことができますし、たとえストレスを感じたとしても、そのストレスに落ち着いて向き合うことも可能になります。
家族間でも、パートナー間でも、部下と上司のような師弟関係においても、各自の境界線を築くことは重要で、かつ相手にも境界線があることを認めることも大切です。そこから他の人への思いやりや配慮が生まれてきます。
※University of Arisona の「Resilience for everyone」の講義を参考にしています。