「Job Crafting：ジョブ・クラフティング」というコンセプトは、アメリカのイェール大学のレズネスキー教授とミシガン大学のダットン名誉教授が提唱したもので、仕事（ジョブ）を創る（クラフト）ことを意味しますが、日本語風にマッチする訳としては、「仕事の捉え直し」だと思います。自分の仕事を自分の意志で作りこんでいくことです。
ジョブ・クラフティングの方法としては主に３つあります。
- 自分の強みが今の仕事に活かせる方法を探す。
- 自分の価値観を今の仕事に反映させる方法を探す。
- 自分の将来の目標と今の仕事を結びつける方法を探す。
今の仕事が、面白いとは思えないし、やりがいも感じられない。将来の展望も開けない。かといって、自分はどんな仕事に向いているのか、どんな仕事ならできるのか、よくわからない。
そんな思いで仕事をしていると、仕事に費やしている時間がすべて、憂鬱でつまらない時間になってしまいます。それは自分の貴重な人生の時間の無駄使いです。
自分の理想の仕事を見つけて転職することが今すぐ可能な人はほとんどいませんから、まずは、今の仕事をどうにかしようと取り組んでみましょう。そのために、ジョブ・クラフティングは最適な方法です。
①自分の強みが今の仕事に活かせる方法を探す。
自分の強みと現在の職業がマッチしていると、仕事がキャリアや天職に結びやすく、人生に幸福感を感じやすくなります。自分の強みを職業に生かすことで、自分でできる工夫を考えるようになり、その職業はお金を稼ぐ手段以上の意味を持ち始め、自分の行動が周囲にも影響を与えていきます。
「仕事との向き合い方をもう一度考えてみよう④ 自分の強みを職業に生かす方法を考えてみましょう。」で、自分の強みを今の仕事に結び付ける例を３つ紹介していますので、参考にしてみて下さい。
- 現在は経理部で会社の経費処理をしていて「創造性」「チームワーク」という強みを持つAさん。
- 現在は営業アシスタントをしていて「親切心」「自律心」という強みを持つBさん。
- 現在は外回りの営業をしていて「誠実さ」「慎重さ」という強みを持つCさん。
この3者がどのように自分の強みを現在の仕事に活かしていくかを説明しています。
また、自分の強みは何かを知るためにはVIA診断ツールで自分の強みトップ5を確認することをお勧めします。VIA診断ツールについては「仕事との向き合い方をもう一度考えてみよう➂ 自分の強みを知りましょう」をご参照下さい。
➁自分の価値観を今の仕事に反映させる方法を探す。
「家族を大切にしたい」「社会に貢献したい」「自分の個性を守りたい」など、自分が大切にしている価値観を、今の仕事に反映させるようにしていくと、仕事の意味が変わってきます。「ポジティブ心理学を活用して５月病対策➂ 価値観と仕事を結びつける」で、銀行の経理部に勤めているAさんが、大切にしている価値観「社会に貢献する事」と「思いやり」を、どのように仕事に反映させていくかを紹介していますので、参考にして下さい。
自分の価値観を今の仕事にどう反映させていくか考えることは、柔軟な発想と創意工夫が必要です。価値観と仕事を結びつける方法を工夫してみましょう。
➂自分の将来の目標と今の仕事を結びつける方法を探す。
自分が人生を通じて成し遂げたいと思っている目標がはっきりしている人は、それを現在の職業と結びつくように仕事を捉え直していきましょう。将来の目標のために、現在の職業においてできる事はないか、探していくのです。
「仕事との向き合い方をもう一度考えてみよう⑤ ジョブ・クラフティングしてみましょう。」で、現在の仕事は営業アシスタントですが将来は世界に情報を発信するYoutuberになりたいと思っている人のジョブ・クラフティングの方法を紹介していますので、ご参照下さい。
一見関係ないようにみえる現在の職業と将来の目標の間に、実は関係性があり、今行っていることが将来に結び付いている。そう職業を捉えることで、労働時間は全く違った意味を持つ時間になります。
今の仕事は好きになれなくても、あるいは自分が本当にやりたい仕事ではないと思ったとしても。せっかく自分の貴重な人生の時間を費やすのです。その仕事から自分のメリットとなる面を創り出しましょう。そこから思わぬ発見や、新しい自分や、異なる仕事のチャンスが生まれるかもしれないのです。
「ライフゴールを探すワーク⑧ ジョブ・クラフティングで仕事の時間をパーパスフル・ライフに変えましょう。」も参考にしてみて下さい。
