2024年の始めに、アーサー・C・ブルックス氏が、アメリカの超有名司会者オプラ・ウィンフリーと共著で出版した本『Build the life you want』(あなたが望む人生を築きなさい)から、私達の人生の指針になるような言葉の数々を紹介したいと思います。
オプラ・ウィンフリーさんといえば、アメリカで大変有名な司会者であり、インフルエンサーです。ブルックス氏は、ハーバード・ビジネススクールの教授で、社会科学者であり、どうしたら人が幸福に生きられるか?の研究をしています。
この二人の共著であるこの本は、アメリカでベストセラーになっています。
彼らによれば人々は「幸福」について多くの思い違いをしていて、どうしたら人生を充足感に満ちたものにできるかについては色々なテクニックやスキルがあるからそれらを学んでほしいというのが、この本のメインメッセージだと思います。彼らのメッセージは、ポジティブ心理学にも共通する点が多々あります。
(注)ここで紹介する訳は私の意訳です。
まずご紹介したいメッセージは・・・
Happiness is not a destination. Happiness is a direction.
幸福とは目的地ではなく、向かう方向だ。
私達は幸福について次のような条件付きで考えていることが多いのです。
- 私は○○ならハッピーになれる。
- でも、△△が私をアンハッピーにしている。(△△は自分をとりまく環境や状況)
あなたなら、〇〇や△△にどのような言葉を入れるでしょうか?
この2つの思考は、多くの人が幸福について考えるフレーズです。しかし、〇〇は一時的に手に入れられたとしてもずっと手元にはないし、違う〇〇が欲しくなります。
△△は時と場所によって様々に形を変えて存在し続けます。△△はその時の上司だったり、職場環境だったり、自分の外見だったり、恋人だったり、試験だったりします。△△は人生からなくなることはないのです。
〇〇をいつも手に入れられる人生や、△△が消えてなくなる人生は、存在しないのです。「〇〇があれば・・・」「△△がなければ・・・」という条件付きの幸福を求めることは、架空の理想郷エルドラドを追い求めるようなものです。
〇〇が手に入らなくても。あるいは△△という問題があっても。私達は幸せを感じることができますし、人生に充実感を感じることができます。そのためには「happy」(幸福である)ではなく「happier」(より幸福になる)を追い求めることが大切です。
完全無欠な幸せは存在しません。ずっと100パーセント満足していられる人生も存在しません。
でも、昨日より、先週より、昨年より、少しずつ幸せだと感じることが増えている、少しずつ人生に充実感を感じる時間が増えているという、「前よりも少し進んでいる」という「happier」こそ、私達が求めていくべきことで、その過程がdirection方向なのです。
幸福であることは静止画ではなく、そこへ向かって動いていく道のりなのです。
無意識のうちに自分に課している条件付きの幸福は手放して、問題があろうが少しずつ幸せに近づくことはできる、その歩みこそ幸せを感じる過程であることを認識しましょう。