Morphological Analysis モーフォロジカル分析、訳せば形態学的分析となります。形やパターンを分析するという意味です。
問題解決のためのアイディアを考えるときに、モーフォロジカル分析は役立ちます。特に、視野を広げて、様々なアイディアを思いついたり、新たな解決法を考えることに有効です。
何か目的や目標があって、そこへ向かうためにどうしたらよいのかというアイディアを考える時に、向いている思考法です。
方法は簡単で、白い紙に表を作り、ある目的や目標を達成するためにはどのようなポイントを押さえる必要があるか(Features)、そのポイントごとにどのような手段があるか(Means)を書き出していくのです。
例えば、職場のチームワークがよくないと感じている時、チームワークをよくして共通の目標に対して協力し合っていけるチームにしたいと考えているとします。
この場合、「チームワークをよくする」ことが目標になります。
その目標のためにどのようなポイントが重要かを書き出し、そのポイントごとの手段をリストアップしていきます。
例を挙げていきましょう。
【目標】チームワークをよくすること
ポイント | 手段1 | 手段2 | 手段3 |
目標のシェア | 目標を紙に書きオフィスに貼る | 会議の前に必ず目標を確認 | チーム内メールの冒頭に目標を書く |
活発に意見が出る | すぐに批判しない | 全メンバーに発言してもらう | 意見のいい点を必ずコメントしてから反論する |
メンバー同士信頼できる | 自己紹介の場を設ける | 食事会をする | メンバーの優れた点をコメントする |
このように、一つの目標の達成のために、どのような事をすればよいか、あるいはどのような状態になればよいのかというポイントを書き出し、そのポイントごとに手段を書き出していきます。手段は例では3つですが、もちろん、4つでも5つでも構いません。文字でなとも、絵やイラストでも構いません。
書き出した表を見て、すぐ実行可能な手段、特に重要だと思う手段に〇をつけて、〇をつけたものから実行に移していきます。
モーフォロジカル分析をすると、視野を広げ、目標の達成に対し、多角的アプローチが可能になってきます。
モーフォロジカル分析を一人ではなく、グループで行うと、更に多様なポイントと手段が出てくる可能性があります。また、モーフォロジカル分析をグループで行うプロセスそのものが、グループの協調性を高める効果があります。
- 多様なアイディアを考えていく方法として、モーフォロジカル分析は有効。
- 目標達成のためのポイントと、その手段を考えることで、ソリューションの多角的アプローチが可能。
※Imperial College of London の講義「Creative Thinking」を参考にしています。