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ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

クリエイティブに問題解決する方法⑤ TRIZのアプローチ その2

前回説明したTRIZ(トゥリーズ)を、我々の日常生活で直面する問題の解決のために使ってみましょう。

TRIZには39のパラメーターと40の発明原理があると説明しましたが、39のパラメーターの中には反するものもあり、一つのパラメーターを改善しようとすると、別のパラメーターが悪化することがほとんどです。

例えば「➁静止物体の重量」を改善しようとすると(つまり、物の重さを軽くしようとする)、「⑭強度」が悪化します(物の固さや頑丈さが悪化する)。

このようにパラメーター同士に相反する特質があり、矛盾があります。2つのパラメーター同士の矛盾関係を表にして、それぞれのケースで40の発明原理のうちどの考え方を適用したらよいかを示したのが、TRIZの技術的矛盾マトリックスです。

詳しくはこちらを参考にして下さい。

TRIZmatrix

どのパラメーターを改善し、その時悪化するパラメーターも考慮しながら、どのような発明原理で解決法を導けばよいのか、一覧表になっているというわけです。

具体的な例を挙げてみていきましょう。

家の中が物が多すぎて整理整頓できず困っているとします。

「物が多すぎる」というパラメーターを改善したいわけです。パラメーターでいえば「㉖物質の量」を改善したいわけです。しかしそうすると「㉓物質に損失」というパラメーターが悪化します。物を減らせば、それだけ物を失うわけですから。

「物を捨てたくない」「もったいない」「いつか使うかも」「失ったらもう手に入れられないかもしれない」そのような思いが累積して、家の中に物が溢れる状態を作り出しているのでしょう。

改善したいパラメーターを㉖、それに伴い悪化するパラメーターを㉓にします。そして技術的矛盾マトリックスで㉖と㉓が交差する箇所を確認します。そこには適応すべき発明原理として③、⑥、⑩、㉔が挙げられています。

➂局所性質原理

⑥汎用性原理

⑩先取り作用原理

㉔仲介原理

の4つの発明原理を使ってアイディアを考えていきます。

➂局所性質原理

具体的には「一部の形状を変える」「異質な物に変える」「潜在的な機能を果たせるようにする」ことです。

物を収納する時になるべくコンパクトに形を変えて収納する(丸める、折りたたむ、立てるなど)ことを考えてみます。

 

⑥汎用性原理

「物に多機能を持たせる」ことです。台所に鍋やフライパンが溢れている時、鍋一つあれば、すべての基本料理は可能ではないか、鍋があれば炊飯器がなくてもごはんは炊けるので炊飯器は不要ではないかなど、一つの物で複数の機能が果たせないか考えてみます。

 

⑩先取り作用原理

「事前に作用を施すこと」ことです。例えばゴミ袋3つ分は物を捨てることに決めて、3つの袋に不要物を入れていくようにする、この棚に入る分だけしか本は置かない、など事前の取り決めをしておきます。

 

㉔仲介原理

「仲介物を利用する」ことです。物が片付かなくて困る時、いっそ専門家の収納アドバイザーに依頼する、あるいは家族や友人に第三者の目で不要物をチェックしてもらうなど、人の手を入れることも考えられます。

 

このように多すぎる物を片づけて整理整頓したい場合、ただひたすら物を捨てていくことができるならば、家の中は物で溢れないので、どうしたらよいのかを客観的なツールを使って考えてみる時にTRIZのマトリックスは便利です。

自分一人では思いつかないような発想をすることもできますし、解決策のバリエーションを増やすことができます。

 

  • TRIZでシステマティックに問題解決に役立つ発明的発想を見つけることができる。
  • TRIZで自分一人では思いつかないようなアイディアを見つけることができる。
  • 問題解決のためのアイディアのバリエーションを広げたい時にTRIZは役立つ。

 

※Imperial College of London の講義「Creative Thinking」を参考にしています。

 

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