イギリスのブリストル大学の教授ブルース・フッド氏(Bruce Hood)が出版した『The Science of Happiness: Seven Lessons for Living Well 』には、人はどうしたら幸せだと感じられるか?について様々なアドバイスが書かれています。イギリス版ウェルビーイングのヒントと言えるでしょう。ポジティブ心理学や発達心理学と重なる部分も多いのです。
フッド氏の本の中から、私達の毎日の生活の中で実践しやすい「幸せだと感じる方法」を紹介していきましょう。
まず一つ目の方法は「感情と自分自身を分けるフレーズを口に出すこと」です。
怒り、心配、不安、嫉妬、焦り、失望、悲しみ・・・様々な感情が私達には沸いてきます。特に怒りの感情は自分や周囲の人達を傷つけ、悪影響を与えがちです。
怒りの感情が沸きあがってきたら、次のフレーズを口に出して、その感情から自分を切り離すようにしましょう。(人がいない所で口に出した方がいいでしょう。急に叫びだしたら、どうしたのだろう?と思われるかもしれませんから・・・)
「私は私の気分ではない、私の感情でもない、私の過去でもないし、私の信条でもない。そうではなくて、私は、気分や感情や信条を持っている人間です」
あるいは心配や不安で心が一杯になった時は、以下のフレーズを口に出して、心配という感情と自分自身に距離を取りましょう。
「私は心配そのものではない。私は心配事を持っている人間である」
その時渦巻いている強い感情は、決してあなたの100%ではなく、あなたの全てではないのです。感情とあなたはイコールではないのです。
怒りや不安に圧倒されそうな状況では、私達は、自分が感情そのもの、感情にすべてを支配されているように思いがちです。
しかし、それは違います。
感情は私達が一部で、限られた時間に、持っているものであり、自分自身の全体を覆うものではなく、自分自身ではないのです。
感情と自分自身に距離を作るために、強い感情に襲われた時は、上記のフレーズを声に出して言ってみましょう。声に出すことで、自分の耳にも聞かせます。
初めは上手くいかなくても、強い感情を感じる度に、繰り返して言ってみましょう。
次第に、感情を自分自身から切り離す感覚を味わえるようになります。
※Bruce Hood著『The Science of Happiness: Seven Lessons for Living Well 』を参考にしています。