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ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

イギリス版幸せだと感じる方法⑰ バイオフィリアを満たす

イギリスのブリストル大学の教授ブルース・フッド氏(Bruce Hood)が出版した『The Science of Happiness: Seven Lessons for Living Well 』には、人はどうしたら幸せだと感じられるか?について様々なアドバイスが書かれています。イギリス版ウェル・ビーイングのヒントと言えるでしょう。ポジティブ心理学や発達心理学と重なる部分も多いのです。
フッド氏の本の中から、私達の毎日の生活の中で実践しやすい「幸せだと感じる方法」を紹介していきましょう。

バイオフィリア(biophilia)とは、ギリシャ語の人生(bio)と愛(philia)から作られた言葉です。人間が持っているとされる自然や生物と繋がりを求める本能的要求のことです。人間は自然に囲まれ、自然を感じることを求める生き物で、自然と触れ合うことで安らぎを感じるという説があります。人間の祖先がもともと原生林の中で暮らしていた記憶に基づく嗜好と言われています。自然を感じ、触れあうことで、人間は幸福感を得て、ポジティブな気持ちになると言われています。

科学的見地からいえば、自然に触れあうことで、二つの脳の働きが影響を受けます。第一に、ストレスやマインド・ワンダリング(心があちこちさ迷うこと)を感じる強さや頻度が、自然と触れ合うことで減少し、結果的にストレスホルモンと言われるコルチゾールを減らします。第二に闘うか逃げるか反応を引き起こす偏桃体の働きを鎮めます。

自然と触れ合うといっても、森や湖に囲まれた田舎に住まないとできないわけではありません。時折、自然が豊かな場所に行くことも効果的ですが、普段生活している地域でも、自然を感じ、バイオフィリアを満たすことはできます。

公園や緑が多い場所を1時間ほど歩くことでも、偏桃体が活発化するのを防止し、ストレスを軽減します。2万人の大人を対象にした調査結果では、1週間に合計2時間自然の中を歩くことで、ストレス軽減効果が確認できたそうです。この2時間というのは、一度に2時間でもよいし、分割してトータルが2時間でも、どちらでも効果があるそうです。つまり1日に20分程度毎日自然を感じながら歩くことでも、効果があるわけです。
1日20分ならば、公園を歩いたり、緑が多い通勤経路を通ったりできると思いませんか?
バイオフィリアを満たすために、まずは1日20分の散歩から始めて、ストレスを軽減し、幸福感を増やしてみましょう。

※Bruce Hood著『The Science of Happiness: Seven Lessons for Living Well 』を参考にしています。

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