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ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

イギリス版幸せだと感じる方法⑳ シンクロニシティを味わう

イギリスのブリストル大学の教授ブルース・フッド氏(Bruce Hood)が出版した『The Science of Happiness: Seven Lessons for Living Well 』には、人はどうしたら幸せだと感じられるか?について様々なアドバイスが書かれています。イギリス版ウェル・ビーイングのヒントと言えるでしょう。ポジティブ心理学や発達心理学と重なる部分も多いのです。フッド氏の本の中から、私達の毎日の生活の中で実践しやすい「幸せだと感じる方法」を紹介していきましょう。

フッド氏は、シンクロニシティを経験することが、ポジティブな感情を増やすと書いています。シンクロニシティとは「共感性」「同時性」と訳されます。「シンクロする」というと、人と人とが同じ動作をしていることをいいますよね。

フッド氏が本の中で説明している心理学上のシンクロニシティとは、他人と経験を共にすることを指しています。一緒に歌う、ダンスする、運動するなど、他人と同じ時間と場を共有し、体験をシェアすることです。
シンクロニシティは自分と他人との境界線を緩め、自分のみフォーカスするエゴ的な考え方から、他の人への関心に心を開いていきます。他の人間との集団の一部であるという感覚を与えます。

具体的には、フッド氏はシンクロニシティのポジティブ心理学上のメリットを4つ挙げています。

  1. 他人を助けるなど社会的行動が増える
  2. 他の人間との繋がりを感じる
  3. 他の人が何を考えているのか、感じているのか、より意識するようになる
  4. 精神的ウェルビーイングを増やす(心地よく感じられる)

つまり、シンクロニシティはポジティブな感情を持つことに大変役に立つのです。

では、どのように、シンクロニシティを経験できるでしょうか?
前述のようにグループで歌ったり、踊ったり、運動をすることはシンクロニシティを経験する有効な手段です。サッカーチームの応援に行ったり、好きな歌手のコンサートで思いっきり踊って楽しむという行動も、シンクロニシティには大いに役立っているわけです。

しかし、イベント的なことがないと、シンクロニシティを味わえないということはありません。日常の生活の中でも、シンクロニシティを十分味わえます。

そのためには対面での会話を持つことです。そして、相手と対話している時にはスマートフォンはポケットやバッグの中にしまっておくこと。相手との会話に集中することにしましょう。スマートフォンのアラームやSNSのシグナル音などは、人間同士の会話の障害になり、シンクロニシティを経験することを妨げます。相手との会話に100%集中しましょう。そうしてこそ、相手とのシンクロニシティを経験することができるのです。

また、会話といっても、自分が話すよりも、相手の話を聞くことにより時間とエネルギーをかけましょう。アクティブ・リスニングが重要です。アクティブ・リスニングとは、とにかく相手の話を聞くことに集中し、相手にたくさん話をさせることですが、ポイントは以下です。

  • 集中して聞く。スマホやパソコンを見ながらの「ながら聞き」はだめ。
  • 興味を持って質問をする。しかし、相手の話を遮らない。
  • 顔の表情やボディランゲージを伴いながら話を聞く。
  • 相手の状態に自分がなったらと想像しながら聞く。
  • 相手の言葉を繰り返して反応する。

アクティブ・リスニングによって相手と会話することは、時間と場を相手と同時にシェアすることになり、シンクロニシティを味わえます。

アクティブ・リスニングの詳しい方法については「PERMAの実践➂ R:幸福感が高まる人間関係を練習してみましょう。」で紹介していますので、参考にしてみて下さい。

PERMAの実践➂ R:幸福感が高まる人間関係を練習してみましょう。PERMA...

また、シンクロニシティが職場でも役立つことを「Tomorrowmindで変化の時代を生き抜く⑯ 職場のラポート構築にはシンクロニシティが重要」で説明していますので、参考にしてみて下さい。

Tomorrowmindで変化の時代を生き抜く⑲ ディープ・リスニングで職場のラポートを構築するポジティブ心理学...

※Bruce Hood著『The Science of Happiness: Seven Lessons for Living Well 』を参考にしています。

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