前回人生から熱意を奪うものTOP6を紹介しました。
その中で「➁仕事が忙しくて休暇を取っていない」について説明しましょう。
昔の職場は長い休みを取ることが雰囲気的に難しかったり、土日も働いて猛烈社員であることが出世の道であるという思い込みがあったりで、なかなか夏休みなどの連続して長い休暇を取りにくい環境に、日本の多くの会社がありました。
しかし、今では、社員管理においてもコンプライアンス的にも、一定の連続休暇を取るべきであるという風潮が定着してきたと思います。
休暇を取りにくいというのは日本の会社だけでなく、実はアメリカでも52%の人がその年に許されている休暇を消化せずに終わっているそうです。
一方、北欧フィンランドのヘルシンキ大学の調査では、1年に3週間以上の夏期休暇を取っていない人は、取った人よりも37%死亡率が高まる(!)ということです。つまり、休暇がない、あるいは少ない=ストレスが増える=死亡率が高まる、ということを示しているようです。
夏でも秋でも冬でもよいのですが、1年に1回は連続した長い休暇を取りましょう。そして休暇の予定をぎりぎり12月にするということではなく、今年はこの時期に休暇を取ると、きちんと予定を立てましょう。仕事で忙しい人は、時間ができたら休暇を取ろうと思いがちですが、それはまるでこないバスをずっと待っているようなものです。ここで休暇を取ると決めておかないと、仕事に責任感がある人ほど、なかなか休暇を取れなくなります。
それに、ここで休暇を取るということを職場の同僚に知らせておけば、自分も休暇を取りやすいですし、同僚もそれを前提にした仕事のスケジュールを組み立てられるでしょう。
休暇の予定を立てることをVacation Mappingバケイション・マッピングといいます。休暇の時期、場所、目的、過ごし方などを、年の始めに決めておきましょう。
そしてカレンダーやスケジュール帳、職場でシェアしているデジタルカレンダーなどに、自分の休暇の予定を書き込んでおきましょう。
1年に1回長い休暇を取るとして、会社務めをしている期間が40年だとすると、40回しか長期休暇は取れないのです。40回のうち、家庭の事情で遠くには行けない時もあるでしょう。実家を訪ねないといけない時もあるでしょう。子供達と一緒に休暇を過ごす回数はもっと少ないでしょう。20回くらいでしょうか。
その限られた回数の長期休暇の時に何をして、どこへ行くか。毎回豪華ヨーロッパ旅行というわけにはいかないと思いますから、創意工夫が大切になってきます。家族がいれば自分だけの希望を押し通すこともできないでしょうから、家族との相談が必要になります。
Vacation Mappingは結構大変な作業なのです。
でも、今年は流星群がよく見える長野の山奥にキャンプに行こうとか、水平線に沈む大きな夕日が見たいから南洋の小島に行こうとか、子供が飛行機が好きだから、全国の空港巡りをしようとか、計画し出すとなかなか楽しいものです。事前に調査することも必要になってきます。家族と協働で調査をしてもいいかもしれません。
そのプロセスこそ、人生に熱意と活気を呼び込みます。
休暇は、仕事や職場から離れて、別の種類のエネルギーを人生に呼び込む触媒になるのです。
1年に1回はぜひ長期休暇を取りましょう。
※Jodi Wellman著『You Only Die Once: How to Make It to the End with No Regrets』を参考にしています。