オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

ネガティブ感情があることを認めて、振り返りをしてみましょう。

ポジティブ心理学を学んで実践している身として、こんなことを言うのもおかしいかもしれませんが。ネガティブ感情は、なくなりません。人間にはポジティブな感情も、ネガティブな感情も、両方あることが当たり前ですから。

ただ、ポジティブ心理学を実践していくと、ネガティブな感情の扱い方、処理の方法がうまくなります。

ネガティブな感情に囲まれている時は、ポジティブになろう!と思っても、そう簡単に気持ちを切り替えることはできません。それに前述したように、ネガティブ感情を否定ばかりしていたら、かえってネガティブ感情が心に蓄積してしまいます。

ポジティブになるためには、ネガティブ感情も認める

逆説的な感じがすると思いますが、存在する感情を否定したり、蓋をすると、いつまでたっても消化できず、心の中にくすぶってしまいます。

そこで、ネガティブ感情の対処法の一つとして、いっそネガティブ感情と向き合ってみる、という方法があります。ノートに、自分のネガティブ感情を書き出してみます

  • このままでは会社をリストラになりそうな気がする。
  • なんとなく恋人の態度が冷たい。
  • 先輩にきつく叱られた。あんなにキツイ言い方をしなくてもいいと思う。ひどい。
  • ダイエットしなくてはと思っているくせにお菓子ばかり食べている。
  • ネットショッピングでついつい買い物をし過ぎて、お金を無駄使いしてしまった。
  • 来月の試験に落ちそうな気がする。
  • 胃の調子が悪い。深刻な病気になっているのではないだろうか。

このように、ネガティブ感情は多種多様で、いろいろ出てくると思います。それらを一度ノートに書き出して、文字化しましょう。「ああ、私、こんなにネガティブ感情あるのだなあ・・・」とため息をつきたくなるかもしれませんが。

まずは、心に渦巻いていたネガティブ感情を、文字にして外に出したと思いましょう。そして、書き出したら、それで一度ノートを閉じます。

それから数日、あるいは1~2週間たってから、そのネガティブ感情を書いたノートを振り返ってみます

そうすると、 意外と「な~んだ、たいしたことなかったな」「全然事実ではなかった」と思うことが多いのではないでしょうか。

世界の終わりのように思えた出来事も、時間がたってから振り返ると、どうしてそんなことで悩んでいたのだろうと思う場合もよくあります。

誰かに傷つくような言葉を言われて落ち込んだ事も、後からまったく自分の誤解で相手は悪い意味で発言したのではなかったとわかる場合もあります。

病気かと思って悶々としていたら、病院で検査してみたら何の問題もなかったということもあります。

「たいしたことなかった」というネガティブ感情があれば、ノートのその部分を線を引いて消すか、×と赤ペンで大きく書くか、そのネガティブな感情は、悩む必要もなかったという事実を、視覚で確認するようにしましょう。

もちろん、中には、「たいしたことある」ネガティブ感情もあると思います。その場合には、ただ書き出すだけでは解決しないので、ネガティブ感情に対するアクションを考えていくことになります。

でも、10個のネガティブ感情を書き出したとすると、たいていの場合、時間がたってから冷静になって振り返ると「たいしたことなかった」という事項が半分くらいを占めると思います。

ネガティブ感情を書き出して、少し時間をおいて振り返り、「これは誤解だった」「これは考え過ぎだった」等振り返りの感想を書き加えておきましょう。そうすることで、ネガティブな感情の多くは、洗い流せる、受け流せるものであると自覚できます。

一方で、家族やペットの死、災害等、自分が打ちのめされてしまうほどの悲しみに巻き込まれると、思い込みや誤解ではない、「真のネガティブ感情」が襲ってきます。これは、振り返りでは太刀打ちできない苦しさです。この「真のネガティブ感情」については、別の対処法が必要です。グリーフケアと呼ばれる種類の対応が必要になってきます。それについては、改めて書きたいと思います。

今回は、受け流せるネガティブ感情の方が、真のネガティブ感情よりも圧倒的に多いこと、そして真のネガティブ感情でない限り、時間がたてば忘れてしまうようなものも多く、自分で対処が可能な場合が多いことを認識しておきましょう。

ネガティブ感情はなくならない。だから、上手な対処法を身に着けておきましょう。

 

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