50歳代からの人生から、空虚さや目標がない・・・という迷いを追い払って、楽しく生きていくために役立つ方法を、ポジティブ心理学の研究・調査から紹介していくシリーズです。
今回はメメント・モリ。ラテン語で「死を想え」。つまり「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」ということです。
50歳からの人生を楽しく生きていこうという時に「死を想え」とは対極的な印象があるかもしれませんが、「50歳からのポジティブ心理学 ~ポジティブ・エイジングに役立つワーク①自分に残された人生の時間を確認する」で説明したように、自分のこれからの人生の時間がどれくらいあるかを直視することは大切です。自分に残された時間が有限であり、必ず時間切れ=死がやってくると自覚することによって、今の時間を大切に過ごそう、こんなだらだら過ごしていてはいけない、まだやってないことがある!と自分のスイッチをオンにすることができます。

特に50歳を過ぎたら、人生100年としても、半分の時間は過ぎ去っているのです。どんなに頑張っても最長50年の時間が自分の持ち時間になるでしょう。健康的に出歩ける時間はもっと短く、あと20年か30年くらいかもしれません。
常に死を想って脅える必要はありませんが、自分に残された時間が限られているということを意識しましょう。
「ああ、もう時間がない」「もっと〇〇をしたかった」「〇〇をしてみたかった」と、死が近づいてきた時に悔いないように。
「メメント・モリ」を意識するために、目の付く所にポストイットを貼っておきましょう。
「メメント・モリ」と書いてもよいのですが、人生の時間が限られていることを象徴する先人の文でもいいでしょう。
お勧めは、アップルの創業者スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチです。例の「Stay hungry Stay foolish」のスピーチです。彼はこのスピーチの一年前にがんだと診断され治療していました。彼はスピーチの中でこう話しています。
Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma — which is living with the results of other people’s thinking.
あなたの時間は限られてます、他人の人生を生きて、時間を無駄にしてはいけません。他の人の考えによるドグマに捕らわれないでください。
Your time is limited.
あなたの人生の時間は限られています。
それを常に忘れないよう、ポストイットに書いて目につくところに貼っておきましょう。
※Jodi Wellman著『You Only Die Once: How to Make It to the End with No Regrets』を参考にしています。