オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ネガティブ感情の対処法

12のネガティブ感情への対処法① 不透明感にはフリークアウト・タイム

不安、怒り、嫉妬、無気力、自己否定、失望・・・。人間、様々なネガティブな感情を抱くものです。
人間の脳は将来のリスクを察知し、予想して対処するようにできていますから、ネガティブな情報を集めやすいのです。人間が生物として生きていくためには役立つ機能ですが、ネガティブな感情を抱きすぎるのも私たちの生活に悪影響です。冷静に状況を判断できなくなったり、改善のための行動を起こす気力を失う、あるいは周囲を傷つけることもありえます。
そこで、ポジティブ心理学の観点から、代表的なネガティブ感情12種類に対処する方法を身に着けておきましょう。すぐにすべてのネガティブ感情が消え去るわけではないでしょうが、ネガティブ感情にはこのように対処すると憶えておけば、いつでも立ち向かえます。

第1回目は、未来に対する不透明感に対する対処法をみてみましょう。

  • 老後のお金がなくなったらどうしよう。
  • 今の会社を解雇されたらどうしよう。
  • 一生独身だったらどうしよう。
  • 最近胃が痛いけど、重い病気だったらどうしよう。
  • 子供が受験に失敗したらどうしよう。
    大地震が来たらどうしよう。

人間、未来がどうなるかわかりませんから、先の事を考えると不安のタネは無限にあります。
しかし、いくら未来を心配しても、その出来事が現実になるかどうかはわかりませんし、現実になったとしたら、その時に向き合うしかないのです。
よく使われる英語の諺に

I cross that bridge when I get to it.

という文があります。
直訳すれば「橋にたどり着いたら渡るだけだ」ですが、要は「その時がきたら対処する」です。
悪い出来事やハプニングを避けようとしても、遭遇する時は遭遇します。事前にどんなに不安に思っていても、いなくても、いろいろな出来事が私達の人生には起こります。
その出来事が実際に起きたら、私達はそれに対処するしかなくなります。不安が現実として現れたら、その時は否応なく、対処するしかなくなります。

だから、あまり、くよくよ将来こうなったらどうしようと不安になっても仕方がないということです。不安ばかり膨らませ過ぎると、今現在の「何も起こっていない」穏やかな生活を台無しにしてしまいます。
だからといって、不安が現実化しないように打てる手も打たなくていいというわけではありませんが、あまりにもいろいろな起こりうるかもしれない将来を心配しても仕方がないということです。私達の人生は先が見えない。それが現実なのです。

しかしながら、そうは言っても先のことが心配だという場合、「フリークアウト・タイム」を設けましょう。「Freak out フリークアウト」とは「パニックになる」「もうどうするの~⁉と叫ぶ」というイメージです。
フリークアウト・タイムとは、特定の時間を取って思いっきり不安になる、心配になることです。

スケジュールの開いている日時に1~2時間くらいフリークアウト・タイムを予定しましょう。その時に将来について不安に思っている事を一つ選び、思いっきり不安になり、心配しましょう。そして、そのフリークアウトタイムまでは、その不安は棚上げしておきましょう。フリークアウト・タイムに十分すぎるくらい不安になる予定ですから。

1~2時間も、不安になったり心配していると、ではどうしよう?こうしてみた方がいいのでは?という、不安に対処するアイディアが必ず浮かんでくると思います。人間それほど長い間一つの不安に集中して浸っていられないのです。
そのうち、まだ起こってもいない事について心配ばかりしている自分がばからしいと思うかもしれません。
そんなに不安になっている暇があったら、できる事をやった方がいいのではないかと思うかもしれません。

フリークアウト・タイムで、思いっきり不安になり、心配になってみましょう。
その代わり、フリークアウト・タイム以外の時間はその不安事を棚上げしておきましょう。
将来の不安を冷凍しておくようなものです。

フリークアウト・タイムを繰り返していくうちに、不安そのものが小さくなることもありますし、具体的な対処法がみつかることもあります。
先のことはわからない。その不透明感は、どのような立場の人間であっても、すべての人間にとって、人生が続く限り、存在するのです。

※Oliver Burkeman著『Meditation for Mortals:
Four Weeks to Embrace Your Limitation and Make Time for What Counts』を参考にしています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA